2026年10月1日から、在留資格の変更や在留期間の更新、そして永住許可にかかる手数料が値上げされます。
しかも今回の改定は、単なる値上げではなく「もらえる在留期間の長さによって金額が変わる」という仕組みへ変わります。
永住許可にいたっては、これまでの20倍の変更になります。
この記事では、10月からどう値上げになるのか、手数料の支払い方法、減額措置対象者などを詳しく解説します。

手数料改定の全体像
なぜ今、手数料が見直されるのか
今回の改定は、2026年5月に成立した改正入管法によって手数料の上限額が法律で定められ、それを受けて具体的な金額が政令で決まりました。
背景としては、審査にかかる実際のコストが増えていることや、日本の手数料水準がこれまで諸外国と比べてかなり低かったことなどが挙げられています。
在留許可手数料の額の引上げによる増収分は、出入国在留管理行政のDXの推進を行うための費用や、難民等の適切かつ迅速な保護・支援を行うこと、「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」の強力な推進を行うことなどの出入国在留管理の一層の適正化を図る施策などの取り組み費用に充てられるようです。
いつ手数料が値上げされるのか
2026年10月1日から、在留資格の変更や在留期間の更新、そして永住許可にかかる手数料が値上げされますが、新しい手数料が適用されるかどうかは、「許可が下りた日」ではなく「入管が申請を受け付けた日」で決まります。
| 受付時期 | 審査・処理の状況 | 適用される料金 |
| 〜 2026年9月30日 まで | 審査に時間がかかり、10月以降に結果が出た場合も含む | 改定前の料金(旧料金) |
| 2026年10月1日 以降 | 新料金 |
更新申請は6か月以上の在留期間を有する者にあっては在留期間の満了する3か月前から申請が可能です。
在留期限が2026年12月末ごろまでの方は、2026年10月1日の在留手数料の改定を前に、旧料金で更新手続きを完了できます。
手数料改定の対象
対象となるの次の3つの手続きです。
- 在留資格変更許可(仕事内容や身分が変わるときの切り替え)
- 在留期間更新許可(活動内容は変えず、滞在できる期限を延ばすとき)
- 永住許可
このほか、再入国許可や就労資格証明書の交付などは、手数料額は変わりませんが、別途指定委託事業者への決済手数料がかかります。
新しい手数料額

在留資格の変更・在留期間の更新手数料は期間に応じた段階制に
これまでは、変更でも更新でも一律の料金でした(窓口6,000円、オンライン5,500円)。10月1日からは、この一律料金がなくなり、決定された在留期間の長さに応じて金額が上がっていく仕組みに切り替わります。
新しい手数料は、次のとおりです。
| 許可される在留期間 | 窓口申請の手数料 | オンライン申請の手数料 |
| 3か月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3か月超 〜 6か月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6か月超 〜 1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超 〜 3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上 〜 5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
以前は一律6,000円だった手続きが、長期のビザをもらえた場合には最大で75,000円になる計算です。
永住許可は「1万円」から「20万円」へ、20倍の引き上げ
今回の改定の中で、もっとも影響が大きいのが永住許可です。
改定前(9月30日までの受付分):10,000円
改定後(10月1日以降の受付分):200,000円
金額としては一気に20倍です。
永住許可は審査に数ヶ月から1年近くかかることも珍しくありませんが、9月30日までに申請すれば、結果が2027年にずれ込んだとしても手数料は1万円のままで済みます。
永住許可は提出書類も多く、収入や納税、年金・保険料の状況など細かい要件をクリアする必要がある手続きです。
急いで出したせいで不備が見つかり、結局10月にずれ込んでしまったということにならないよう、余裕を持ったスケジュールで動くことが何より重要です。

窓口とオンラインでは金額が違う
同じ許可を受ける場合でも、窓口で申請するかオンラインで申請するかによって金額に差が出ます。国としてオンライン申請の利用を後押ししたい狙いもあり、オンラインのほうが基本料金は安く設定されています。
ただしオンライン申請では、手数料とは別に「決済手数料」がかかります。
オンライン申請における手数料
オンライン申請では10月からの金額改定に加えて、納付方法も変更されます。
納付方法
10月1日以降にオンラインで受け付けられた申請については、収入印紙による納付ができなくなります。
代わりに、出入国在留管理庁が指定する決済代行事業者を通じて、コンビニエンスストアでの決済か、銀行のインターネットバンキングを利用した決済のいずれかで支払うことになります。
オンライン申請における在留許可手数料の案内は、登録したメールアドレスに、出入国在留管理庁長官が指定する決済代行事業者のアドレス「no-reply@service-dgft.com」から手数料の支払い案内が届きます。
納付方法は「コンビニ決済」か「銀行決済」の2つのみです。クレジットカードやスマホのQRコード決済には現時点では対応していません。
また、窓口で受け付けは、従来どおり収入印紙による納付です。
オンライン申請の手数料額
オンライン申請では、改定後の手数料に加えて、別途指定委託事業者への決済手数料がかかります。
| 許可期間 | 改定後の手数料 | 決済手数料 | 支払額合計(税込) |
| 3か月以下 | 10,000円 | 330円 | 10,330円 |
| 3か月超 〜 6か月以下 | 15,000円 | 15,330円 | |
| 6か月超 〜 1年未満 | 21,000円 | 21,330円 | |
| 1年 | 27,000円 | 27,330円 | |
| 1年超 〜 3年未満 | 42,000円 | 42,330円 | |
| 3年以上 〜 5年未満 | 56,000円 | 550円 | 56,550円 |
| 5年以上 | 65,000円 | 65,550円 |
また、再入国許可や就労資格証明書の交付は手数料自体は変更はないものの、決済手数料がかかります。
| 許可の内容 | 2026年10月1日以降の受付(変更なし) | 決済手数料 | 支払額合計 | |
| 再入国許可(1回限り) | 3,500円 | 220円 | 3,720円 | |
| 再入国許可(数次) | 6,500円 | 6,720円 | ||
| 就労資格証明書の交付 | 1,600円 | 1,820円 | ||
手数料が払えない人のための減額制度
金額が大きく上がる一方で、経済的に厳しい状況の方のために、手数料減額制度があります。
減額後の手数料は以下の通りです。
在留資格の変更の許可 1万円
在留期間の更新の許可 1万円
永住許可 2万円
特定在留カードの交付を希望する場合は上記の額に特定在留カードの交付に係る手数料を加えた額の手数料が必要となる場合があります。
「在留資格変更・在留期間更新の減額」は、ガイドラインでは、次の2つの条件を両方満たす人が対象になり得ると整理されています。
- 生活が困窮していると認められる状態にあること(困窮要件)
- 難民認定を受けている、あるいはそれに準じる人道上の配慮が必要な、特定の在留状況にあること(人道配慮要件)
条件①:生活が困窮していると認められる状態にあること
ガイドラインでは、生活保護法上の「要保護者」に準ずる程度に生活が苦しい人として、次の4つのパターンを挙げています。
| 対象・項目 | 内容 |
| 生活保護に準じた保護を受けている人 | 外国人は日本人と同じ形では生活保護を受給できませんが、実務上は生活保護法の取り扱いに準じた保護(生活保護に相当する支援)を受けている方がいます。 こうした保護を受けている場合、まずこの困窮要件に当てはまる可能性があります。 |
| 難民認定申請中で保護費を受けている人 | 難民認定や補完的保護対象者の認定を申請している、あるいはその申請についての審査請求を行っている方のうち、実際に国から保護費の支給を受けている方が対象です。 申請中であることだけでは足りず、保護費を実際に受け取っていることが条件になっている点です。 難民申請者がすべて対象になるわけではありません。 |
| 中国残留邦人等として支援給付を受けている人 | 中国残留邦人等の自立支援に関する法律に基づき、支援給付を受けている方も対象に含まれます。 これは特定の歴史的経緯を持つ方々への支援制度です。 |
| 上記に準じるほど困窮していると個別に認められる人 | 上上の3つに直接当てはまらなくても、それと同じくらい生活が苦しいと個別に判断される場合があります。 誰にでも開かれた広い救済枠ではなく、限定的な運用になる点は理解しておく必要があります。 |
条件②:難民認定を受けている、あるいはそれに準じる人道上の配慮が必要な、特定の在留状況にあること
続いて、もう一つの条件である「人道上の配慮を要する状況」について見ていきます。ガイドラインは12種類のケースを列挙していますが、内容ごとに大きく分類すると理解しやすくなります。
| 対象・項目 | 内容 |
| 難民・第三国定住難民・中国残留邦人等として定住者ビザを持つ人 | 難民や補完的保護対象者として認定された人、第三国定住難民、インドシナ難民、そして中国残留邦人等とその一定範囲の親族で、「定住者」の在留資格を持ち更新を行う方が該当します。 また、これらに該当しない場合でも、永住者を除く在留資格で引き続き日本に在留することが妥当と判断され更新を受ける方も含まれます。長年日本での生活基盤を築いてきた方々への配慮といえる区分です。 |
| 難民認定申請の結果、在留資格が変わる人 | 「特定活動」の資格で難民認定申請者としての活動を指定されていた方が、実際に難民や補完的保護対象者として認定され「定住者」へ変更する場合や、認定には至らなかったものの本国情勢を踏まえて人道的配慮から在留が認められ「定住者」や「特定活動」への変更を受ける場合が該当します。 また、難民認定申請者本人が審査中に「特定活動」のまま更新を続ける場合も、一定の条件のもとで対象に含まれています(明らかに迫害に該当しない主張の案件や、正当な理由なく同じ主張を繰り返す再申請などは除かれます)。 |
| 人身取引の被害者、児童養護施設の子ども、難病・重度障害のある人とその家族 | 人身取引等の被害者として、被害からの回復のための活動を行っている方、児童福祉法に基づく措置で児童養護施設等に入所している子ども、指定難病や重度障害により特定医療費・特別障害者手当等の支給を受けている方、そしてその方の監護・養育や介護を行う家族なども対象です。 |
| 日本人・特別永住者の実子を一人で育てている人 | 日本人または特別永住者の実子を、一人で監護・養育している外国人の親と、その子ども自身も対象に含まれています。 ひとり親家庭で、かつ子どもの片方の親が日本人・特別永住者であるケースを想定した区分です。 |
| その他、個別に人道的配慮が必要と認められる人 | 上記のいずれにも当てはまらなくても、日本での在留を認めないことが人道上酷であると判断される特別な事情がある方については、個別判断で対象になり得るとされています。 |
減額を希望するなら必ず窓口で申請する
在留申請オンラインシステムは減額措置に対応していません。オンラインで申請してしまうと、減額を適用してもらうことができなくなります
減額措置はオンラインではなく入管の窓口へ出向き、困窮を証明する書類とあわせて申請してください。
減額を申請する際にどのような証明書類(疎明資料)を提出すべきかについては、本記事執筆時点では詳細が別途案内されるとされており、まだ確定していません。生活保護に準じた保護の証明書や、保護費の支給決定通知書などが想定されますが、正式な案内が出るまでは入管の窓口に直接確認するのが確実です。
免除措置について
減額措置の他に免除措置制度もあります。
次のいずれかに該当する者が対象です。
- 外交又は公用の在留資格への変更を受ける者
- 公用の在留資格をもって在留する者で、在留期間の更新を受けるもの
- 特定活動の在留資格への変更を受ける者で、次のいずれかの活動を特に指定されるもの
①台湾日本関係協会の本邦の事務所の職員又は当該職員と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動②駐日パレスチナ総代表部の職員又は当該職員と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 - ア又はイに掲げる活動を特に指定されて特定活動の在留資格をもって在留する者で、在留期間の更新を受けるもの
行政書士にビザ申請を依頼するメリット
行政書士に相談すれば、ビザの種類、現在の収入状況、希望する在留期間などをすべて総合的に判断し、書類の不備を防ぎ、不許可のリスクを徹底的に避けることができます。
ビザの専門家である行政書士は、法改正の直前で非常に慌ただしい時期の駆け込み申請であっても、書類の不備が一切ない完璧な申請書類をスピーディーに作成し、確実に提出します。
入管の審査基準はとても厳しく、一般の方が自分で書類を作ると、小さな記入ミスや説明不足によって追加資料の提出を求められ、時間の大幅な遅れが発生します。行政書士はこうした入管の厳しい審査基準をあらかじめ熟知しているため、無駄な手戻りを防ぐことができます。
まとめ
来月には、大幅な手数料改定が始まります。
在留期間に応じた段階制への移行、永住許可の大幅な引き上げ、オンライン申請の決済方法の刷新、そして減額・免除制度の整備が開始されます。
ご自身やご家族、あるいは職場の外国人スタッフの手続きについて少しでも不安な点があれば、一人で抱え込まず、専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。
※本記事の内容は、出入国在留管理局のHPに基づいています。申請にあたっては、必ず最新の情報をホームページでご確認ください。
令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について | 出入国在留管理庁

記事編集者:ℳ/大阪の行政書士補助者
大阪市中央区の行政書士事務所にて補助者として勤務しております。在留資格・帰化申請・補助金申請などを中心に業務に携わっております。
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