「会社を始めたばかり、お店をオープンしたばかりで、広告費や設備にお金をかけたいけど、資金がない。」
そんな創業間もない事業者の方に向けて、使用できる補助金が「小規模事業者持続化補助金(創業型)」です。
この制度は、販路開拓(新しいお客さんを増やすための活動)にかかる費用の一部を、最大250万円も補助してもらえる可能性があります。
「補助金は手続きが難しそう」と感じる方も多いと思いますが、この記事では、「小規模事業者持続化補助金(創業型)」の概要や要件などを解説します。
「小規模事業者持続化補助金(創業型)」の基本情報
「小規模事業者持続化補助金(創業型)」とは
小規模事業者持続化補助金は主に「一般型(通常枠)」と、この記事で紹介する「創業型」があります。
どちらも小規模事業者の販路開拓を支援する制度です。
小規模事業者の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とし、持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓等の取組を支援する制度です。
その中でも「創業型」は、創業して1年以内の事業者を特別に手厚く支援する枠として用意されています。
創業間もない事業者は、まだ顧客も少なく、経営の基盤も整っていないにもかかわらず、これから何年にもわたって様々な制度変更や経営環境の変化に対応していかなければならないからです。
そこで国は、地域の雇用や産業を支える存在になってもらうため、創業期にしっかりとした販路開拓の取り組みができるよう、手厚い補助金を用意しています。
「小規模事業者持続化補助金(創業型)」条件・期限など
創業型の補助金は、以下のような条件になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 200万円(通常枠) ※インボイス特例対象事業者は、上記金額に50万円の上乗せ(最大250万円) |
| 補助率 | 2/3 |
| 対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
| 公募期間 | 公募要領公開:5月27日(水) 申請受付開始:11月5日(木) 様式4(事業支援計画書)受付締切:12月4日(金) 申請受付締切:12月15日(火)17:00 予定 |
「創業型」と「一般型」の違いを解説
「小規模事業者持続化補助金」には、大きく分けて「一般型」と「創業型」の2種類があります。主な違いは以下の通りです。
補助上限額が大幅に違う
最も大きな違いは、もらえる補助金の上限額です。
一般型(通常枠): 原則 50万円
創業型: 原則 200万円
創業間もない時期は設備投資や広報に多額の費用がかかるため、一般型に比べてもらえる費用が大きくなっています。
申請できる「タイミング」と「要件」
「創業型」に申請するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
創業時期: 公募締切時から起算して過去1年以内に開業・設立していること。
特定創業支援等事業の受講: 産業競争力強化法に基づき、自治体等が実施する「特定創業支援等事業」の支援を受け、その証明書を持っていることが必須です。
一般型: すでに事業を営んでいる小規模事業者が対象であり、創業時期の制限や上記の受講要件はありません。
創業型は1年以内に開業・設立したことだけでなく、自治体が実施する特定創業支援等事業の支援を受け証明書を受ける必要があるます。
賃金引上げ特例の有無
一般型: 赤字事業者の補助率引き上げ(3/4)や、最大150万円の上乗せが受けられる「賃金引上げ特例」が用意されています
創業型: そもそも上限額が200万円と高く設定されているためか、創業型の要領には「賃金引上げ特例」による上限上乗せの記載はありません。
重複申請はNG
「一般型」と「創業型」を同時に申請することはできません。また、過去に一方の補助金を受けて事業を実施したことがある場合、もう一方への申請に制限がかかることがあります。
小規模事業者の定義や補助対象事業、対象経費などは小規模事業者持続化補助金「一般型」を同等ですのでこちらの記事をご参照ください。

申請の要件の「創業時期」
「過去1年以内の開業・設立」とは
創業型に申請するためには、開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去1年以内である必要があります。
具体的な判定基準は以下の通りです。
- 法人の場合:現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書に記載されている「会社成立の年月日」。
- 個人事業主の場合:税務署に提出した開業届に記載されている「開業・廃業等日」。
書類の発行日や税務署への提出日ではなく、あくまで上記書類上の「事業を開始した日」が基準となります。
個人事業主が法人化した(法人成り)場合、個人事業としての開業日から1年を経過していると申請できません。
申請時点で既に商品の提供や営業活動を開始している必要はありませんが、補助事業終了までには事業活動を開始することが必須条件です。
「特定創業支援等事業」とは
特定創業支援等事業の受講と証明書
この補助金を申請するためには、国から認定を認定市町村が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受け、証明書を得る必要があります。
認定市区町村とは
認定市区町村とは、産業競争力強化法に基づき、市区町村が民間の創業支援事業者(地域金融機関、NPO法人、商工会議所など)と連携して策定した「創業支援等事業計画」が国により認定された自治体です。
令和8年6月25日現在は1,414件(1,580市区町村) が認定されています。
宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、富山県、石川県、福井県、山梨県、岐阜県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、広島県、山口県、愛媛県、福岡県、大分県についてはすべての市町村で認定されています。
「特定創業支援等事業」による支援とは
この補助金を申請するためには、国から認定を認定市町村が実施する「特定創業支援等事業」による支援とは、産業競争力強化法に基づき、市区町村や連携する創業支援事業者が実施する、経営・財務・人材育成・販路開拓の知識が身につく継続的な支援(セミナーや個別相談など)を指します。
支援を受けるべき対象者:
法人の場合:法人の代表者(代表取締役や代表社員など)本人が支援を受ける必要があります。代表者以外の役員や従業員が受けた場合は対象外です。
個人事業主の場合:本人が受ける必要があります。家族専従者や後継予定者が代わりに受けた場合は認められません。
「証明書」について
支援を受けた後、認定市区町村が発行した「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」を取得し、その写しを提出することが必須です。
支援を受けた日も、公募締切時から起算して過去1年以内である必要があります。
大阪市における「特定創業支援等事業」
大阪市では、大阪商工会議所議所が支援事業者です。
大阪市内の事業者は大阪商工会議所議所が行っている「特定創業支援等事業」を受講し、本市が証明書を受けることができます。証明書交付における手数料は無料です。
事業者や実施時期は以下の通りです。
| 特定創業支援等事業名 | 実施時期の目安 | 実施場所 |
|---|---|---|
| 創業チャレンジゼミ | 5月、10月、1月 | 大阪産業創造館 |
| あきない虎の穴 | 8月 | 大阪産業創造館 |
| 融資が必要な人のための事業計画作成講座 | 6月、11月 | 大阪産業創造館 |
| 起業準備ラボ | 不定期 | 大阪産業創造館 |
| 起業サポート「チョイス!」 | 随時(予約制) | 大阪産業創造館 |
| OIHスタートアップアクセラレーションプログラム | - | 大阪イノベーションハブ(OIH) |
| TEQS テックス ビジネスアクセラレーションプログラム | - | ソフト産業プラザTEQS |
| ソフト産業プラザTEQS(テックス) <インキュベーションオフィス> | - | ソフト産業プラザTEQS |
| 大阪デザイン振興プラザ <インキュベーションオフィス> | - | 大阪デザイン振興プラザ |
| 大商開業スクール | 8月 | 大阪商工会議所 |
| 大商個別相談指導 | 不定期 | 大阪商工会議所 |
大阪市の特定創業支援等事業の証明書による3つのメリット
本市が証明書を交付を受けた創業者は、次の優遇措置を受けることができます。
(1)会社設立時の登録免許税が半額に軽減
創業前、または創業後5年未満の個人が大阪市内に会社を設立する際、登記にかかる登録免許税(通常は資本金の0.7%)が0.35%に軽減されます。
- 株式会社の最低税額: 15万円 ⇒ 7.5万円に減額
- 合同会社の最低税額: 6万円 ⇒ 3万円に減額
【注意点】
- 必ず会社を設立(登記)する前に証明書を取得し、法務局へ提出する必要があります。
- 会社の「発起人」であり、かつ「代表者」となる個人が証明を受ける必要があります。
- すでに別にある会社を組織変更する場合や、2社目の創業、大阪市以外の市区町村で会社を設立する場合は対象外です。(問い合わせ先:大阪法務局)
(2)創業関連保証の特例(融資の申し込み前倒し)
信用保証協会の「創業関連保証(無担保・第三者保証人なし)」を利用する際、通常は事業開始の3ヶ月前からしか申し込めないところ、事業開始の6ヶ月前から前倒しで利用(申し込み)が可能になります。
【注意点】
- 利用には審査があります。
- この特例については、大阪市の証明書であっても、他の市区町村で創業する場合にも活用することができます。
(3)日本政策金融公庫「新規開業資金」の貸付利率の引き下げ
日本政策金融公庫から「新規開業資金」の融資を受ける際、この証明書を提示することで、融資の貸付利率(金利)を引き下げて利用することができます。融資の実行には所定の審査があります。
この金利引き下げ措置は、大阪市の証明書を使って他の市区町村で融資を受ける場合でも適用可能です。
証明書交付までの流れ
| 全体のステップ | 要件・詳細 | 期間の目安・注意点 |
|---|---|---|
| STEP 1 特定創業支援等事業を「受講」 | 4回以上かつ1か月以上の継続的な支援を受け、必要な知識を習得します。 | 支援期間:1か月~6か月 ※受講する事業・プログラムによって期間が異なります。 |
| STEP 2 証明書の「申請」 | 【各支援事業者へ申し出】 受講・支援を受けた各支援事業者(大阪産業創造館や大阪商工会議所など)へ申し出てください。手続きの案内があります。 | 申請から交付まで:概ね10日程度 ※会社設立(登記)などの予定に合わせて余裕を持って申請してください。 |
| STEP 3 証明書の「交付」 | 大阪市より証明書が交付されます。 | 手元に届いた証明書を使って、登録免許税の軽減や融資の優遇措置が受けられます。 |
各事業は事前申込制です。詳細については、各事業のホームページをご確認ください。大阪市:特定創業支援等事業について~大阪市が発行する証明書により、登録免許税の軽減等の支援が受けられます~ (…>産業支援・創出支援・特区制度など>創業支援)
特定創業支援等事業は証明書の交付までに数か月時間を要します。
証明書が提出できないと、小規模事業者持続化補助金(創業型)の申請ができません。12月の応募締め切りに間に合わせるためには今から準備しないといけません。
小規模事業者持続化補助金申請の必要書類
小規模事業者持続化補助金の申請には、「創業型」と「一般型」で共通する書類のほか、創業型特有の必須書類があります。それぞれの申請に必要な書類を整理して解説します。
全申請者が共通で用意する書類(様式類)
以下の書類は、電子申請システムへの直接入力、または作成したファイルをアップロードして提出します。
| 書類名(様式番号) | 書類の概要・記載内容 | 提出方法・注意点 |
|---|---|---|
| 様式1 持続化補助金事業に係る申請書 | 補助金の基本申請書です。 | システムに直接入力して提出します。 |
| 様式2 経営計画書兼補助事業計画書① | 自社の経営状況、現在の課題、今回の補助事業で取り組む具体的な内容などを詳しく記載します。 | 計画書ファイルを作成して添付します。(審査の肝となる重要書類です) |
| 様式3 補助事業計画書② | 補助事業にかかる経費の明細や、資金調達の内訳などを記載します。 | 計画書ファイルを作成して添付します。 |
| 様式4 事業支援計画書 | 地域の商工会・商工会議所が発行する書類です。 | 発行の受付締切があるため、管轄の商工会・商工会議所へ余裕を持って依頼する必要があります。 |
| 様式5 補助金交付申請書 | 交付を申請するための書類です。 | システムに直接入力して提出します。 |
| 様式6 宣誓・同意書 | 補助金の公募要領に沿った内容であることを確認し、同意する書類です。 | 内容をしっかりと確認した上で提出します。 |
「創業型」特有の必須書類
創業型で申請する場合、以下の書類が必須となります。
| 提出書類名 | 書類の概要・提出の目的 | 重要な注意点・メリット |
|---|---|---|
| 特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書の写し | 認定市区町村(大阪市など)が発行した、特定創業支援等事業の要件を満たしたことを証明する書類のコピーです。 | 公募締切時から起算して過去1年以内の日付である必要があります。有効期限に注意してください。 |
| 創業計画書等(任意提出) | 特定創業支援等事業(ゼミやスクールなど)を受講した際に、実際に策定・使用した計画書などがあれば提出します。 | 任意提出ですが、提出することで審査の加点対象となる場合があります。 |
行政書士に持続化補助金の申請手続きをサポート依頼をするメリット
補助金の申請手続きを行政書士にサポートしてもらうことで、以下のような大きなメリットを得られます。
採択率(合格率)が上がる
持続化補助金の審査で最も重要視されるのが、「経営計画書(様式2)」や「補助事業計画書(様式3)」の完成度です。 行政書士は、審査員に伝わりやすいビジネスプランの言語化や構成を考え、自社の強みや補助金の必要性を説得力のある文章で書類に落とし込んでくれるため、自分で一から書くよりも不採択のリスクを大幅に減らすことができます。
面倒な書類作成やシステム入力の手間を削減できる
持続化補助金の申請には、多くの様式や添付書類が必要です。公募要領のの読み込みから事業計画書の作成、入力とこれらを事業の合間にすべて一人でこなすのはかなり時間を要します。
行政書士に依頼すれば、トータルサポートを受けることができるため、本業に集中することができます。
あくまでサポートなので、「自社の強み」「今回の補助金で何をしたいか」といったビジネスの核心部分は、しっかりと行政書士にヒアリングで伝える必要があります。二人三脚で書類を作り上げる意識が大切です。
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※注意: 本記事の内容は2026年5月発行の公募要領に基づいています。最新の情報は必ず補助金事務局の公式サイトをご確認ください。
「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)」の公募要領を公開しました | 中小企業庁

ℳ/大阪の行政書士補助者
2023年行政書士試験合格
大阪市内事務所に勤務している行政書士補助者です。
取扱業務:在留資格、古物商、宅建業、会社設立
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