【大阪府】電気工事業を始めたい方へ|登録・届出の手続きを解説

電気工事は、コンセントの火花や漏電、火災、感電といった重大な保安上の災害につながるリスクを抱えています。

そのため、電気工事業を始めるには、「電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)」に基づき、事前の登録や届出が必要です。

この記事では電気工事業登録の要件、必要書類、費用、窓口などを解説します。

この記事は2026年10月時点の公的資料をもとにしています。
実際の申請には電気に関する申請/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]をご確認ください。

目次

手続きの前に知っておきたい「電気工事業」の基本ルール

手続きが要らない「軽微な工事」と、対象外のケース

電気工事業登録の対象となるのは、一般住宅や商店などの一般用電気工作物等、およびビルや工場といった最大電力500kW未満の自家用電気工作物を扱う電気工事です。

⚡ 電気工作物の区分と対象
一般用
電気工作物等
一般住宅や小規模な店舗、事業所等の電圧600V以下で受電する場所の配線や電気設備など
自家用
電気工作物
工場・ビル等(最大電力500kW未満のもの)

一方で、最大電力500kW以上の自家用電気工作物の工事や、保安上の危険度が低いとされる以下の「軽微な工事」については、電気工事業法の対象外(登録不要)とされています。

すべての電気作業に登録が必要なわけではありません。
電気工事士の免状を持つ人が、自分の家の工事を自分で行う場合や、危険性がとても低いとされる次のような作業は、軽微な工事として法律の対象から外れています。

🛠️ 電気工事業登録が不要な工事(軽微な工事等)の例
軽微な作業・
器具取付等
  • 600V以下のコンセント、ソケット、スイッチ等にコードやキャブタイヤケーブルをつなぐ工事
  • 600V以下の電気機器や蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事
  • 電力量計やヒューズを取り付け・取外しする工事
  • ドアチャイム、インターホン、火災感知器等の小型変圧器(二次側36V以下)の二次側配線工事
支持物・地中管
等の設置
  • 電線を支える柱や腕木を設置・変更する工事
  • 地中に電線を通すための管などを設置・変更する工事
施工体制・
自家消費等
  • 引き受けた電気工事をすべて他社に丸投げし、自ら施工しない場合
  • 住宅メーカーが自社建築の家のアフターサービスとして行う工事
  • 電気工事士免状の所持者が、自邸の工事を自分で行う場合
大規模設備 500kW以上の大規模な自家用電気工作物(電気工事業法の対象外)

エアコン工事の区分

エアコンの設置・修理に関しては法の対象であるかどうかや、電気工事業登録が必要かどうかは作業により細かく区分されています。

❄️ エアコン等施工作業別の必要資格・登録一覧
作業内容 法令上の区分 電気工事士資格 電気工事業登録
室外機・室内機の設置・固定(電気作業なし)、ドレンホース・冷媒配管の接続 法の対象外 不要 不要
室内外機の接続端子へ内外接続線を差し込む作業 電気工事
(軽微な作業)
不要 必要
内外接続線をモール等の化粧カバーで保持する作業 電気工事ではない 不要 不要
内外接続線を直接壁などに固定する作業 電気工事 必要 必要
内外接続線が造営物を貫通する部分に金属製防護装置を取り付ける作業 電気工事 必要 必要
コンセントの設置・取替・増設、専用回路の敷設、電圧切替(100V⇔200V)、ブレーカー交換 電気工事 必要 必要

電気工事業者の「4つの区分」

電気工事業を営もうとする者は、都道府県知事又は経済産業大臣へ登録、通知又は届出しなければなりません。
登録、通知又は届出の区分は、施工する電気工作物の種類と建設業許可の有無により区別されています。

建設業の許可(電気工事業)を持っていますか?

なし or あり

どんな設備の工事をしますか?

住宅・店舗などの工事を含む or ビル・工場などの自家用設備だけか

この2つを組み合わせると、次の4タイプに分かれます。

施工対象 建設業許可なし 建設業許可あり
住宅・店舗などの工事を含む 登録電気工事業者 みなし登録電気工事業者
ビル・工場などの自家用設備だけ 通知電気工事業者 みなし通知電気工事業者

「みなし」とは、すでに建設業の許可を持っているので、登録を受けた人と「みなして」扱うという意味です。

4タイプそれぞれの手続きとタイミング

手続きの名前も、出すタイミングも、タイプごとに違います。

登録電気工事業者の場合は事前の登録申請が必要です。
通知電気工事業者は事業開始10日前までに開始通知が必要です。

みなし登録電気工事業者は事業開始後遅滞なく開始届を、みなし通知の場合は事業開始後遅滞なく開始通知を届出ます。

登録電気工事業者は事前登録制です。申請から登録証が届くまで約2週間かかることを見込んで、早めに動き出しましょう。

大阪府では申請窓口の変更に伴い、登録証手続きが1か月程度かかる見込みです。(令和8年10月15日現在)

大阪府外にも営業所を出すとき

将来、兵庫県や奈良県、京都府などにも営業所を出すと、手続きの窓口が変わります。
複数の都道府県に営業所を置く場合、登録は大阪府知事ではなく、産業保安監督部長、または経済産業大臣に申請を行います。
国への手続きが済んだら、大阪府へ「登録行政庁変更届出書」を出す流れです。

営業所の設置範囲 行政区分 登録・届出の主体(提出先)
1つの都道府県の区域内のみに営業所を設置する場合 同一都道府県内 都道府県知事
2つ以上の都道府県の区域にまたがって営業所を設置する場合 1つの産業保安監督部の管轄内 産業保安監督部長
2つ以上の産業保安監督部の管轄にまたがる場合 経済産業大臣

「主任電気工事士」とは

営業所ごとに1人の選任が必要

住宅や店舗などの工事を行う営業所には、作業を管理する「主任電気工事士」を置くことが法律で決まっています。

主任電気工事士になれるのは、次のどちらかの人です。

  • 第一種電気工事士の免状を持っている人
  • 第二種電気工事士の免状を持ち、免状をもらった日から3年以上、電気工事の実務経験がある人

主任電気工事士の要件・ルール

① 専任であること。 主任電気工事士は、その営業所だけの担当でなければなりません。他の営業所や他社の営業所の主任を兼ねることはできません。複数の営業所を持つなら、営業所の数だけ主任電気工事士が必要です。

② 欠員が出たら2週間以内に後任を選ぶこと。 主任電気工事士が辞めてしまった場合、2週間以内に後任を選ばなければなりません。

第二種電気工事士の方が主任電気工事士になる場合、「実務経験証明書」の提出が必要です。免状を取る前に働いていた期間は、3年に含まれず、過去の勤務先の証明には押印が必要です。

開業前に整える「営業所の3つの義務」

① 測定器具を備える

仕事の安全を確かめるため、営業所には決められた測定器具を置く義務があります。
何を揃えるかは、行う工事の範囲で変わります。

営業所の施工範囲 備え付けるべき必要な測定器具
住宅・店舗などの工事だけの営業所
(一般用電気工作物)
【必須の測定器具(3点セット)】
  • 絶縁抵抗計
  • 接地抵抗計
  • 回路計(抵抗および交流電圧が測定できるもの)
自家用電気工作物の工事も行う営業所
(ビル・工場など)
【上記の3点に加えて必要な4点】
  • 低圧検電器
  • 高圧検電器
  • 継電器試験装置
  • 絶縁耐力試験装置

② 標識(看板)を掲げる

電気工事業者であることを示す標識を、営業所と、2日以上かけて工事をする現場に掲げる必要があります。
標識には、登録番号や登録の年月日、会社名、代表者名、営業所名、電気工事の種類、主任電気工事士の名前などを書きます。区分によって標識の名前や記載項目が違い、大きさも決まっています。

③ 帳簿をつけて、5年間とっておく

営業所ごとに帳簿を作り、次の6項目を書いて5年間保存します。

  1. 注文者名と住所
  2. 電気工事の種類と場所
  3. 施工日
  4. 主任電気工事士と作業した人の名前
  5. 配線図
  6. 検査結果

申請の流れ・費用・更新・窓口まとめ

書類と費用の目安

登録電気工事業者の新規登録では、基本的に次の書類を、正本と副本の2部ずつ用意します。

  • 登録申請書
  • 誓約書
  • <第一種電気工事士免状の場合>第一種電気工事士免状の写し (講習受講記録を含む)
  • <第二種電気工事士免状の場合> ・第二種電気工事士免状の写し ・主任電気工事士等実務経験証明書
  • 主任電気工事士を雇っている場合は雇用(在職)証明書
  • 法人の場合は、3か月以内に発行された登記事項証明書
  • 建設業許可通知書の写し(みなし登録の場合)

費用は、大阪府の場合、次のとおりです。

手続き手数料
新規登録22,000円
更新登録12,000円
変更届(有料のもの)2,200円
登録証の再交付2,200円
登録簿の閲覧1回440円
登録簿の謄本交付1通600円
証明願1通500円

みなし登録、通知、みなし通知の開始届・通知・変更届・廃止届は無料です。
登録証は、審査のあと約2週間で郵送されます。

電気工事業の更新、建設業許可の期限

登録の更新

登録の有効期間は5年です。
大阪府では、満了日の2か月前から更新の申請ができます。
有効期限を過ぎると、登録は廃止したものとみなされ、新規登録をやり直すことになります。
その間に工事を請け負うと、無登録営業になってしまうので要注意です。

建設業許可の更新

みなし登録電気工事業者は、建設業許可の期限にも気をつけてください。
許可が切れると、みなし登録の届出の効力もなくなります。
建設業許可を更新(変更)したら、「電気工事業に係る変更届出書」を、遅れずに提出する必要があります。

大阪府の申請窓口

大阪府の電気工事業の申請窓口は次のとおりです(令和8年10月1日から変更)。

大阪府電気工事工業組合 本部
〒531-0074 大阪市北区本庄東2丁目3-38 大阪府電気工事技術会館3階
電話 06-6371-6147
受付時間 9:30〜12:00、13:00〜17:00(土日祝・年末年始を除く)

行政書士に電気工事業の登録や届出を依頼するメリット

電気工事業の登録や届出は、自分でやることも可能ですが行政書士に頼むメリットは次のとおりです。

1. 区分と窓口、必要書類の選定
登録、みなし登録、通知、みなし通知の4区分のうち、どれに当たるか、また営業所がどこにあるかでどの窓口に出すかが変わります。見極めを間違えると、申請がやり直しになる可能性があります。

2. 主任電気工事士の要件を事前にチェックしてもらえる
第二種の方は、免状交付後3年以上の実務経験が必要です。数え始めの日付や、過去の勤務先の証明に押印が要ることなどを、申請の前に確認できます。

3. 書類づくりと窓口への提出を任せられる
申請書、誓約書、実務経験証明書などを作る手間が省けます。受付時間は平日の日中だけなので、現場仕事で時間が取れない方には特に助かります。

当事務所では大阪府や兵庫県・奈良県などの関西を中心に、許認可申請や外国人の方の在留資格、会社設立などのサポートをおこなっています。「申請をしたいけど要件が分からず通るか不安」「申請に行く時間がない」などのお悩みがあれば全面的にサポートいたします。小さなことでも何かあればお気軽にお問い合わせください。

まとめ

電気工事業の手続きは、まず、建設業許可を持っているかどうかと、行う工事の種類から、自分がどの区分に当たるのかを明確にし、営業所ごとに専任の主任電気工事士を置けるかを確認します。第二種電気工事士の方は、免状交付後3年以上の実務経験を証明できるかも大切なポイントです。

記事編集者:ℳ/大阪の行政書士補助者

2023年行政書士試験合格

大阪市内事務所に勤務している行政書士補助者です。

取扱業務:在留資格、古物商、宅建業、会社設立

お気軽にお問い合わせください。

SNSやお問い合わせはこちらから

参照:電気に関する申請/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次