【2026年最新】技能ビザ取得の条件と必要書類を徹底解説

日本で本場の味を再現するシェフや世界レベルのスポーツ指導者を雇いたいと考えたとき、必要なのが在留資格「技能」ビザの手続きです。このビザは、産業上の特殊な分野で、長年の経験を持つプロフェッショナルに与えられるものです。

しかし、その条件は厳格で、準備する書類も複雑です。この記事では、技能ビザの全体像と、特にお問い合わせの多い「料理人」のケースについて、分かりやすく解説します。

目次

技能ビザとは?外国特有の優れた技術者に与えられる資格

技能ビザは、誰でも取れるわけではありません。「日本人が持っていない、外国特有の優れた技術」を持っていることが条件です。

どんな仕事が「技能」に当てはまる?

技能ビザの対象となる業務は多岐にわたります。

番号対象分野具体的な職種の例
料理の調理・食品の製造中華、フランス、インド、タイ料理など外国特有の料理のシェフ、パティシエなど
外国式の建築・土木工事ゴシック建築、中国式庭園など、外国特有の建築・土木様式に関する技能者
外国製品の製造・修理ヨーロッパの高級家具、毛皮製品、ペルシャ絨毯などの製造・修理技師
宝石・貴金属・毛皮の加工宝飾職人、毛皮の加工職人など
動物の調教象の調教師など、特殊な動物の訓練や飼育に携わる者
石油探査のための地質調査海底石油探査のための地質調査、掘削などに関わる技能者
航空機の操縦一定の飛行実績(250時間以上など)を持つ航空機のパイロット
スポーツの指導サッカー、野球、テニスなどのコーチ、インストラクター、スポーツ指導者
ワイン等の鑑定・評価ソムリエ(国際的なコンクール入賞や実務経験が必要)など

最大のハードルは「10年以上の実務経験」

在留資格「技能」を取得するうえで、多くの申請者が直面する最大のハードルが「実務経験10年以上」という要件です(一部分野は異なります)。

この「10年」とは実際に調理師や職人として現場で働いてきた期間が対象ですが、外国の教育機関でその技術を専攻した期間も含めることができます。

たとえば、料理専門学校で3年間学んだあと、7年間レストランで料理人として勤務した場合、合計10年として計算できます。

ただし、見習い期間やアルバイトとしての勤務、接客(ホール)や皿洗いなどの補助業務に従事していた期間は実務経験としてカウントされません。あくまで「その技術を本業として行ってきた経験」が求められます。

【重要】料理人の実務経験として認められない、また認められない可能性が高いケース

× アルバイト・資格外活動許可での就労期間
× 見習い・アシスタントとしての勤務期間
× 屋台での実務経験
× 接客(ホールスタッフ)や清掃・皿洗いなどの補助業務
× 10代前半での経歴

日本人と同じ、あるいはそれ以上の給与が必要

技能ビザで働く外国人は、「日本人と同等額以上の報酬」を受け取らなければならないというルールがあります。安価な労働力として雇うことは法律で禁止されており、プロとしての正当な評価が求められます。

具体的に「月額〇〇円以上」という金額の定めはありませんが、同じ職種・業務内容で働く日本人社員の賃金水準と比較して、それを下回らないよう設定する必要があります。

報酬に含まれるのは基本給・賞与などです。一方、通勤手当や住宅手当など実費弁償の性格を持つ手当は報酬に含まれないため、これらを除いた額で比較することが重要です。

料理人技能ビザの条件①本人の要件

技能ビザの申請で最も多いのが、料理人です。在留資格「技能」で従事できる業務は「調理」のみです。配膳・接客・清掃・食器洗いなどの補助業務は活動範囲外となります。こうした業務を担当させることで、更新時に不許可になるリスクがありますので、採用後の業務内容の管理にも注意が必要です。

10年の実務経験の証明方法

中華料理、フランス料理、インド料理など、タイ料理以外のシェフは、原則として10年以上の実務経験が必要です。この10年という期間は、過去に働いていたお店から「在職証明書」を発行してもらうことで証明します。実際に勤務していた経験があっても、この在職証明書が発行されない場合は実務経験を証明することが難しくなります。

必ずしも申請者の「国籍」と担当する「料理の種類」が一致しなければならないとは法令上は定められていない点です。たとえば中国国籍の方がフランス料理の調理師として申請することは制度上否定されていません。(ただしハードルは高いです。)

タイ料理人は「5年」でOK?特別な優遇措置

料理人の実務経験は原則「10年以上」ですが、タイ料理人だけは例外的に「5年以上」の実務経験で申請できる場合があります。これは日本とタイが締結した経済連携協定(EPA)に基づく特別な優遇措置です。

ただし、この5年特例を受けるためには、実務経験年数の短縮に加えて、以下の3つの条件すべてを満たす必要があります。

タイ料理人の「5年特例」を受けるための3条件
条件①:タイ料理人として5年以上の実務経験を証明できる書類があること(タイ労働省発行の証明書取得に必要な教育機関での学習期間を含む)

条件②:タイ労働省が発行する「タイ料理人としての技能水準に関する証明書」を取得していること(初級以上のレベルが必要)

条件③:申請日の直前1年間において、タイ国内でタイ料理人として妥当な報酬を受けていたことを証明できること

「外国特有の料理」でなければならない

技能ビザが認められるためには、法務省令により「外国において考案され我が国において特殊なもの」である技能を要する業務に従事することが条件とされています。

認められる料理の例としては、中国料理(本格的なコース料理を提供する専門店)、フランス料理、インド・ネパール料理、タイ料理、ベトナム料理、韓国料理、インドネシア料理などが挙げられます。

この「日本で特殊なもの」という条件があるため、一般的に日本国内で普及しており、日本人が容易に習得できるような料理は対象外となります。ラーメンや餃子は中国を起源とする料理ですが、日本独自の食べ方・味付けに変化しているため、「外国において考案され我が国において特殊なもの」とは認められにくいとされています。具体的には以下のようなものが該当します。

1. 日本風にアレンジされた料理

町中華などは、本場外国の伝統的な調理法ではなく、日本人の好みに合わせて過度にアレンジされた料理や、日本独自に進化したメニューは「外国において考案された特殊な技能」とは認められにくい傾向にあります。

2. 一般的なファミリーレストランのメニュー

どこでも食べられるような汎用的なメニューや、高度な専門性を必要としない料理は対象になりません。誰でも作れるような料理であれば、わざわざ外国から熟練のプロを呼ぶ必要がない(日本人が従事できる)と判断されるためです。

3. 既製品を中心とした簡易的なメニュー

特にバルやカフェなどの形態で注意が必要なのが、「既製品を温めるだけ」の料理や「簡易的なおつまみ」です。

  • 冷凍食品やレトルトなどの既製品を活用している。
  • 包丁さばきや火加減の微調整など、10年以上の実務経験を必要とする調理工程がない。
  • 軽食のみを提供している。

このようなケースでは、「熟練した技能は不要」とみなされ、ビザの許可が下りない可能性が高くなります。

4. 一般的な居酒屋料理

「イタリアンバル」などの名称であっても、実態が一般的な日本の居酒屋メニュー(枝豆、唐揚げ、フライドポテトなど)を中心に提供している場合は、イタリア料理の専門技能を活かす場とは認められません。

技能ビザが適用されるのは、あくまで「その国独自の、専門的な修行を積まなければ作れない料理」です。そのため、申請時にはお店のメニュー表を提出し、その料理がいかに専門的で、日本において特殊であるかを説明する必要があります。

料理人技能ビザの条件②勤務先の要件

技能ビザを取得して外国人を雇用する場合、働く本人だけでなく、「勤務する場所(所属機関)」側にもいくつかの重要な要件と確認事項があります。客席数・店舗規模・人員構成などの要件は省令に記載がありませんが、外国特有の料理店であることや、事業の安定性などの証明が必要になります。

業務内容が「特殊な分野」に合致していること

勤務する場所は、その外国人が持つ「熟練した技能」を実際に発揮できる場所でなければなりません。

  • 勤務先が「外国において考案され、我が国において特殊なもの」である料理を提供していることが求められます。コース料理がある場合は有利な証明となりますので、メニュー表を提出することが必要になります。
  • 前述の会話にもあった通り、専門性の低い一般的な居酒屋や、既製品を温めるだけのカフェ、あるいは日本独自の料理をメインとする店では、その場所での活動が「技能」に該当しないと判断される可能性があります。

事業の安定性と継続性

勤務先には、外国人を雇い続け、安定して給与を支払う能力があることが求められます。そのため、申請時には以下の資料の提出が必要です。

  • 決算報告書: 直近の決算文書の写しを提出し、経営状態を確認されます。
  • 事業計画書: 新しく事業を始める場合(新規開店など)は、今後の見通しを示す事業計画書の提出が必須です。

会社の透明性と実態の証明

どのような事業を行っているのか、店舗が実際に存在するのかを証明する書類が必要です。例として以下の書類等を提出して、会社の実態を証明します。

会社案内・店舗パンフレット(店舗の沿革、提供するメニュー、席数などがわかるもの)
店舗の写真(外観・内観・厨房・メニューなど)
飲食店営業許可証の写し
店舗の賃貸借契約書の写し(実際に店舗を借りていることの確認)
法人の登記事項証明書(会社が法律上存在することを証明する基本書類)
法人番号指定通知書など(法人の場合)

在留資格「技能」(料理人)カテゴリー3・4の必要書類

多くの個人経営の飲食店や中小規模の会社はカテゴリー3または4に該当するため、海外から日本に新たに料理人を呼びたい場合(在留資格認定証明書交付申請)の必要書類を解説しますカテゴリー3・4の場合の必要書類を解説します。この場合、提出する書類の種類が多くなり、準備に時間がかかります。開業・採用を検討している場合は、早めに書類の準備を始めることが肝心です。

まず「カテゴリー」を確認する


入管の審査では、雇用する企業・店舗の規模・実績によって「カテゴリー1〜4」に分類されます。このカテゴリーによって、準備が必要な書類の量が大きく変わります。

カテゴリー対象となる企業・機関の目安書類負担のレベル
カテゴリー1上場企業、保険業の相互会社、国・地方公共団体、独立行政法人など最小限
(省略できる書類が非常に多い)
カテゴリー2前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人比較的少ない
カテゴリー3カテゴリー2以外で、源泉徴収票等の法定調書合計表を提出した団体・個人(一般的な中小企業など)多め
カテゴリー4カテゴリー1〜3のいずれにも該当しない(新設企業、源泉徴収の対象者がいない個人経営の小規模店など)最も多い

申請人本人に関する書類

職歴証明書類

最も重要な書類が、過去に働いていた店舗・会社から発行してもらう「在職証明書(在籍証明書)」です。10年分の実務経験を証明するため、複数の職場から取得が必要になることも珍しくありません。

在職証明書には、以下の情報が必ず記載されている必要があります。

店舗・会社の名称、所在地、電話番号
在籍期間(○年○月○日〜○年○月○日)
従事した業務の内容(「中華料理の調理業務」など具体的に)
職種・役職

入管では、提出された在職証明書の内容を、実際に当該店舗に電話で確認する調査を行うことがあります。証明書の偽造や虚偽記載は許されません。実際に詐称申請が増加しており、審査が年々厳格化されています。

中国国籍の方の場合、追加書類が必要
中国国籍の申請者は、在職証明書に加えて以下の書類も提出が必要です。
・戸口簿(中国の戸籍に相当する書類)の写し
・職業資格証明書の写し(保有している場合)

雇用先(所属機関)に関する書類

労働条件・雇用形態に関する書類

雇用契約を締結する場合は、労働基準法第15条第1項および同法施行規則第5条に基づき労働者に交付される労働条件を明示する文書が必要です。

事業内容を明らかにする書類

次のいずれかを提出します。勤務先の沿革・役員・組織・事業内容(主要取引先と取引実績を含む)等が詳細に記載された案内書、またはそれに準ずる勤務先作成の文書、あるいは登記事項証明書です。

決算書類

直近年度の決算文書の写しが必要です。新規事業の場合は事業計画書で代替します。

所属機関の代表者に関する申告書

所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)の提出が必要です。所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)

源泉徴収関連書類

前年分の職員給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない場合に、その理由を明らかにする書類が必要です。外国法人で源泉徴収免除を受けている機関は免除証明書等、それ以外の機関は給与支払事務所等の開設届出書の写しと、直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のある写し)または納期の特例を受けている場合はその承認を証明する資料を提出します。

出入国在留管理庁の公式チェックシートには明記されていませんが、実務上は追加書類の提出を求められるケースが多くあります。具体的には、所属機関のメニュー、店舗の外観・内観・厨房の写真、店舗の配置図、従業員名簿、雇用理由書などが代表的です。

これらは公式の必須書類ではありませんが、入管が審査の過程で「その店舗が外国料理の専門店として実態を備えているか」「その人員数の料理人を雇用する合理的な必要性があるか」を判断するうえで重要な資料となります。

FAQ

1.海外から料理人を呼び寄せる場合、どのくらいの期間がかかりますか。

準備開始から入国まで「3ヶ月〜6ヶ月程度」は見込んでおく必要があります。

書類準備(実務経験証明書の取り寄せなど)、申請:約半月~1ヶ月

入管の審査(在留資格認定証明書):約1〜3ヶ月

  • 特に東京や大阪などの大都市圏は時間がかかりやすいです。

現地大使館でのビザ発給〜来日:約2週間〜1ヶ月

  • 日本から送られてきた認定証を持って、本人が現地の日本大使館でビザを申請します。

2.料理人を採用したいが何名採用可能か

料理人を何名採用できるかは、「一律○名まで」と決まっているわけではなく、お店の規模と事業の必要性によって決まります。入国管理局はその人数が本当に必要なのかをチェックします。

一般的には、客席数が大きな基準になります。1名採用する場合15〜20席程度の規模が望ましいとされています。カウンター5席などあまりに席数が少ないと、許可が下りにくくなります。複数名採用する場合はそれ以上の席数の規模や、年中無休・長時間営業による交代制の必要性を証明する必要があります。

席数が少なくても、 手間のかかるコース料理や、多種多様なメニューがある場合、複数名のコックが必要であるという理由が通りやすくなります。

また、複数名の外国人を雇うだけの給与支払い能力があるか、直近の決算書などで判断されます。

20〜30席程度のお店であれば、まずは1〜2名からスタートするのが現実的です。それ以上の人数を一度に申請する場合は、店舗の見取り図、詳細なメニュー、従業員名簿、想定されるシフト表などを揃えて「なぜこの人数でないと店が回らないのか」を論理的に説明する準備が必要です。

3.料理人に調理以外の作業をさせてもよいですか

技能ビザは、あくまで「熟練した調理技能」を日本に提供するためのビザです。技能ビザの料理人に調理以外の接客、レジ、清掃などをメインでさせることは法律で禁止されています。そのため、ホール業務専従の従業員がいることが必要になります。

行政書士に依頼するメリット:専門家のサポートで許可率を高める

ここまで解説してきたように、在留資格「技能」の申請は書類の種類が多く、要件の確認も複雑です。「自分で申請したが不許可になってしまった」ということも相談に寄せられます。専門家に依頼することで、次のようなメリットが得られます。

■ 複雑な要件の確認と書類作成をすべて任せられる
在留資格の申請には、法律上の要件確認、申請書の記載、添付書類の収集・整備など多くの作業が伴います。行政書士はこれらをすべて代行することができます(申請取次の資格を持つ行政書士は、本人や会社の方に代わって入管に書類を提出することもできます)。

特に、「どの書類が自分のケースに必要か」「この書類で要件を証明できるか」といった判断は、専門的な知識がないと難しいものです。行政書士はその判断をもとに、過不足のない書類を準備します。

■ 不許可リスクを事前に減らし、適切な申請戦略を立てられる
行政書士は、申請内容を事前に精査し、不許可になりやすいポイントを洗い出したうえで対策を取ります。たとえば、実務経験が微妙なケースや、事業計画書の内容が弱い場合には、どのように補強するかを一緒に検討してくれます。

また、在留資格「技能」の申請は、一度不許可になると次回の申請時に不利に働く場合があります。最初から専門家に相談することで、こうしたリスクを事前に回避できます。

■ 最新の法改正・運用変更にも即座に対応できる
出入国在留管理庁の規則や運用方針は変更されることがあります。たとえば、2026年4月15日以降の申請から新たな書類提出が義務付けられる改正が行われています。

行政書士は常に最新の情報を把握しており、法改正があった場合もすぐに対応することができます。自分で調べながら申請するよりも、はるかにスムーズかつ確実に手続きを進めることができるのが、専門家に依頼する最大のメリットのひとつです。

当事務所では大阪府や兵庫県・奈良県などの関西を中心に、許認可申請や外国人の方の在留資格、会社設立などのサポートをおこなっています。「申請をしたいけど要件が分からず通るか不安」「申請に行く時間がない」などのお悩みがあれば全面的にサポートいたします。小さなことでも何かあればお気軽にお問い合わせください。

無料相談・お問い合わせはこちらから

まとめ

在留資格「技能」は、外国人の専門職を日本に招く際の重要な制度ですが、取得のハードルは決して低くありません。本記事の内容を改めて整理すると、次の5点が特に重要です。

①在留資格「技能」は、外国特有の熟練した技術を持つプロフェッショナルのための在留資格である
②料理人の場合、原則10年以上(タイ料理人は条件付きで5年以上)の実務経験が必要
③外国人本人の書類だけでなく、雇用する企業・店舗の財務状況・事業実態を示す書類も審査の対象
④カテゴリー3・4の企業・店舗は、書類の充実度が合否を左右する
⑤申請から許可まで数ヶ月かかることを見越して、余裕あるスケジュールで準備を進める

「この申請、自分でできるだろうか」「書類が揃っているか自信がない」などのお悩みがあれば、ぜひ早めに専門家にご相談ください。

※本記事の情報は2026年5月時点の法令・出入国在留管理庁の運用情報に基づいています。最新の情報は出入国在留管理庁公式サイトにてご確認ください。在留資格「技能」 | 出入国在留管理庁

ℳ/大阪の行政書士補助者

2023年行政書士試験合格

大阪市内事務所に勤務している行政書士補助者です。

取扱業務:在留資格、古物商、宅建業、会社設立

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