「海外にいる家族を日本に呼びたい」「外国人材を採用したいけど、どんな手続きが必要なの?」そんなご相談を日々いただいています。
外国人の方が日本で中長期滞在するためには、在留資格が必要で、在留資格認定証明書(COE)という重要な書類が必要になります。この記事では、在留資格認定証明書について、申請方法から注意点まで、わかりやすく解説します。
この記事を見て在留資格認定証明書についてわかること
在留資格認定証明書の概要、メリットは?
対象者と申請者は?
申請にかかる費用・料金は?

在留資格認定証明書(COE)とは?日本入国に必要な理由
在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility: COE)とは、日本で行おうとする活動内容が在留資格(「短期滞在」及び「永住者」を除く)に該当するかなど、条件に適合かどうかを日本の出入国在留管理庁が事前に審査して与える証明書です。
交付された在留資格認定証明書を海外(母国)にある日本の大使館や、領事館在外公館における査証申請や上陸申請の際に提出することで審査が既に日本国内で済んでいるとみなされ、ビザの発給が迅速に行われます。そして入国審査官が在留資格適合性を詳細に審査する手間が省けるため、速やかに上陸許可を受けられます。
なぜビザとは別に在留資格認定証明書が必要なのか
「ビザがあれば日本に入国できるのでは?」と思われる方も多いでしょう。実は、日本への入国にはビザ(査証)と在留資格という2つの手続きがあります。
ビザ(査証):外務省が発行する「パスポートが有効で、日本への入国を推薦します」という推薦状のようなもの
在留資格:法務省(出入国在留管理庁)が認める「日本でこの活動をしてもいいですよ」という許可
在留資格認定証明書を取得しておくことで、在外公館(大使館・領事館)でのビザ申請がスムーズになり、日本の空港での入国審査も迅速に進みます。事前に日本国内で審査が完了しているため、入国時のトラブルを大幅に減らすことができるのです。
在留資格認定証明書の3つの大きなメリット
確実性が高まる:事前に日本国内で審査を受けているため、入国時に予期せぬ理由で入国を拒否されるリスクが低くなります。
ビザ発給が迅速になる:通常、ビザ申請には複雑な審査が必要ですが、在留資格認定証明書があれば、審査が既に日本で完了しているとみなされ、約1週間程度でビザが発給されます。
入国審査がスムーズ:日本の空港や港での入国審査において、在留資格認定証明書を提示することで、入国審査官の審査時間が大幅に短縮されます。
対在留資格認定証明書の対象者と申請できる人
どのような外国人が対象になるのか
在留資格認定証明書の交付申請ができるのは、これから日本に入国しようとする外国人の方です。具体的には以下のような方が対象となります。
- 日本企業に就職が決まり、海外から来日する方
- 日本の大学や専門学校に入学する留学生
- 日本人や永住者の配偶者として来日する方
- 家族滞在で親や子供を呼び寄せる方
- 技能実習生として来日する方
ただし、「短期滞在(観光や親族訪問など90日以内の滞在)」と「永住者」の在留資格は対象外です。これらは在留資格認定証明書を取得する必要がありません。
誰が申請者になれるのか?代理人制度について
在留資格認定証明書の交付申請は、原則として日本国内の地方出入国在留管理局に対して行います。
在留資格認定証明書の交付申請は、日本国内の地方出入国在留管理局に対して行います。原則として申請人本人(外国人本人)が申請者となりますが、本人が海外にいることが多いため、日本にいる代理人を立てて申請するのが一般的です。
代理人になれるのは、原則として日本に在住している、申請人と一定の関係がある人です。
代理人の例
身分・家族系ビザ(家族滞在、日本人の配偶者など)日本に居住する親族(配偶者など)
就労系ビザ(技術・人文知識・国際業務など)受け入れ機関(雇用予定の会社)の代表者や職員
留学ビザ受入教育機関(大学、専門学校など)の職員
代行政書士による申請取次制度
代理人に代わって、出入国在留管理局への書類提出を行うのが行政書士です。行政書士は「申請取次者」として、地方出入国在留管理局での手続きを代行することができます。
行政書士に依頼するメリットは、専門知識に基づいた正確な書類作成により、不許可リスクを大幅に減らせることです。特に複雑なケースや過去に不許可になった経験がある場合は、専門家のサポートが非常に重要になります。
在留資格認定証明書の申請方法と必要書類
申請の基本的な流れ
在留資格認定証明書の交付申請から日本入国までの流れは、以下の5つのステップで進みます。
ステップ1:日本国内で在留資格認定証明書交付申請 受入機関の所在地または予定居住地を管轄する地方出入国在留管理局に必要書類を提出します。
ステップ2:審査・交付(標準処理期間:1〜3ヶ月) 出入国在留管理庁で審査が行われ、許可されれば在留資格認定証明書が交付されます。
ステップ3:海外の申請人へ証明書を送付 交付された証明書を海外にいる外国人本人に国際郵便等で送付します。
ステップ4:在外公館でビザ申請 外国人本人が居住国の日本大使館や領事館で、在留資格認定証明書を提示してビザ申請を行います。
ステップ5:日本へ入国 ビザが発給されたら、在留資格認定証明書の有効期限(交付日から3ヶ月)内に日本に入国します。空港でパスポート、ビザ、在留資格認定証明書を提示し、在留カードを受け取ります。
申請に必要な基本書類
在留資格にかかわらず、すべてのケースで必要となる基本書類は以下の通りです。
- 在留資格認定証明書交付申請書:出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードできます。在留資格ごとに様式が異なるので注意が必要です。
- 証明写真(縦4cm×横3cm):申請前3ヶ月以内に撮影した、無帽・無背景の鮮明なもの。裏面に申請人の氏名を記載し、申請書に貼付します。
- 返信用封筒:宛先を明記した定形封筒に簡易書留用の切手を貼付します。
これらの基本書類に加えて、申請する在留資格の種類によって、追加の書類が必要になります。
在留資格別の追加必要書類
技術・人文知識・国際業務の場合
- 学歴や職歴を証明する書類(卒業証明書、学位記証明書の写し、在職証明書など)
- 雇用契約書のコピー
- 会社の登記事項証明書(発行から3か月以内のもの)
- 会社の決算書類
- 事業内容を説明する資料
留学の場合
- 入学許可書
- 経費支弁能力を証明する書類(預金残高証明書、奨学金受給証明書など)
- 最終学歴の卒業証明書と成績証明書
- 日本語能力を証明する書類
日本人の配偶者等の場合
- 婚姻届受理証明書または戸籍謄本
- 配偶者(日本人)の住民票
- 身元保証書
- 交際の経緯を説明する資料(写真、通信記録など)
- 配偶者の収入を証明する書類
入国前結核スクリーニング(JPETS)とは?
入国前結核スクリーニング制度の概要
2025年から、フィリピン、ネパール、ベトナムの国籍を有する方が日本に中長期滞在する際に、入国前結核スクリーニングの受診が義務化されました。
入国前結核スクリーニングとは、対象国から日本に入国して中長期間在留しようとする者に対して、入国前に指定健診医療機関において胸部レントゲン検査等を受け、結核を発病していないことを証明する資料の提出を求める制度です。
なぜこの制度が導入されたのか
近年、日本においては外国生まれの患者数が増加傾向にあり、令和6年の新登録結核患者数(10,051人)のうち外国生まれの患者数は1,980人に達しています。特に若年層では外国出生者が結核患者の大半を占めており、日本国内での結核蔓延を防ぐための重要な水際対策として、この制度が開始されました。
当初は2020年東京オリンピック前に開始予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていました。外国からの入国者数が回復した現在、結核対策の強化が急務となり、制度開始に至っています。
対象国と実施スケジュール
現在実施中の国(2026年1月時点)
対象国はフィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、ミャンマー、中国の6ヶ国とされていますが、実施時期は国によって異なります。インドネシア・ミャンマー・中国については、実施日は未定です。
対象国は在留資格認定証明書交付申請をする場合に、結核非発病証明書の提出が必要となります。基本の必要書類に加えて、「結核非発病証明書」の提出が求められます。
参照:【重要】入国前結核スクリーニング(フィリピン、ネパール及びベトナムの国籍を有する方) | 出入国在留管理庁 入国前結核スクリーニング | ホーム(日本語) |
申請にかかる費用と審査期間
申請手数料は無料です
在留資格認定証明書の交付申請には、手数料はかかりません。これは、日本政府が外国人の受入れを促進するための措置です。
ただし、以下の費用は別途発生しますので、予算に組み込んでおく必要があります。
- 書類取得費用:住民票、課税証明書、登記事項証明書などの公的書類の取得費用
- 翻訳費用:外国語の書類を日本語に翻訳する場合の費用
- 国際郵送費:交付された証明書を海外に送付する際の費用
- ビザ申請手数料:在外公館でのビザ申請時に必要(国や在留資格によって異なる)
- 行政書士報酬:専門家に依頼する場合(通常5万円〜15万円程度)
標準処理期間
出入国在留管理庁が定める標準処理期間は1ヶ月から3ヶ月です。ただし、これはあくまでも標準的な期間であり、申請内容や時期によって変動します。
審査が長引きやすい時期
- 4月の入社・入学シーズン前(1月〜3月):企業の新入社員や大学の新入生の申請が集中するため、審査に通常より時間がかかります。
- 10月の留学生受入れ前(7月〜9月):秋入学の留学生の申請が多い時期です。
これらの繁忙期に申請する場合は、通常より1ヶ月程度余裕を見て、早めに申請することをおすすめします。
オンライン申請で効率化できる
2023年3月17日から、在留資格認定証明書の電子化が始まりました。オンライン申請を利用すれば、以下のメリットがあります。
- 窓口に行く必要がなく、24時間いつでも申請可能
- 証明書をメールで受け取ることができる
- 入国後の在留手続きもオンラインで完結できる
在留資格認定証明書の有効期限と注意事項
有効期限は原則3ヶ月
在留資格認定証明書の有効期限は原則として交付日から3ヶ月です。この期間内に日本に入国しないと、証明書は無効となり、再度申請が必要になります。
期限切れを防ぐためには、ビザ申請や航空券の手配を早めに行うことが重要です。
証明書があってもビザが発給されないケースもある
在留資格認定証明書が交付されても、在外公館でのビザ審査で不許可になることがあります。これは、法務省(出入国在留管理庁)と外務省が別々に審査を行うためです。
ビザ不許可になりやすいケース
- 証明書交付後に雇用条件が大きく変更された場合
- 過去に日本での法令違反歴がある場合
- 提出書類に虚偽や不正が発覚した場合
- 中華料理のコックなど、特定の職種で経歴詐称が疑われる場合
このようなリスクを避けるためにも、最初から正確な書類を準備し、変更があった場合は速やかに報告することが重要です。
よくある不許可事例と対策
在留資格認定証明書が不交付になる主な理由
申請しても在留資格認定証明書が交付されない(不許可になる)ケースがあります。主な理由は以下の通りです。
- 学歴・職歴と職務内容の不一致:例えば、文学部卒業なのにIT技術者として雇用するなど、専攻と業務内容に関連性が認められない場合。
- 日本人との賃金格差:同じ職種の日本人労働者と比べて、著しく低い賃金設定の場合。労働基準法違反となるため不許可になります。
- 会社の経営状況が不安定:赤字が続いている、従業員数が極端に少ないなど、外国人を安定的に雇用できる体制が整っていない場合。
- 過去の法令違反歴:オーバーステイ、不法就労など、過去に日本の法律に違反した履歴がある場合。
- 書類の不備や虚偽記載:必要書類の不足、内容の矛盾、虚偽の記載などがある場合。
不許可になった場合の対処法
万が一、不許可になってしまった場合でも、諦める必要はありません。以下の対応が可能です。
不許可理由の確認 出入国在留管理局に問い合わせることで、不許可の理由を確認できます。ただし、詳細な理由が開示されないケースもあります。
再申請の準備 不許可理由を踏まえて、問題点を改善した上で再申請することができます。例えば、職務内容の見直し、賃金条件の改善、追加書類の準備などが考えられます。
行政書士への相談 不許可案件は専門的な知識が必要になることが多いため、経験豊富な行政書士に相談することを強くおすすめします。過去の許可事例を踏まえた最適な申請戦略を提案してもらえます。
許可率を上げるための5つのポイント
当事務所での経験から、許可率を高めるための重要なポイントをお伝えします。
- 早めの準備:繁忙期を避け、余裕を持って申請することで、追加資料の依頼にも対応できます。
- 正確な書類作成:矛盾のない、正確な情報を記載することが最も重要です。
- 十分な立証資料:求められている書類だけでなく、プラスアルファの資料を添付することで説得力が増します。
- 雇用条件の適正化:日本人と同等以上の待遇、明確な職務内容の設定が必要です。
- 専門家のサポート:複雑なケースや初めての申請の場合は、行政書士などの専門家に依頼することでミスを防げます。
まとめ:スムーズな入国のために専門家のサポートを
在留資格認定証明書は、海外から日本へ中長期的に滞在する外国人にとって、非常に重要な書類です。適切に申請することで、ビザ発給や入国審査がスムーズに進み、予定通りの来日が実現できます。
しかし、申請する在留資格によって必要書類や審査基準が大きく異なり、書類の不備や内容の矛盾があると不許可になってしまうリスクもあります。
「外国人従業員を初めて採用したい」「 海外にいる家族を日本に呼び寄せたい」 「過去に不許可になった経験があり申請に不安がある」などのお悩みがあれば一度ご相談ください。
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