宅建業免許を取得して不動産業を開始した後、事業を運営していくなかで様々な変更が生じることがあります。役員の交代、事務所の移転、専任宅建士の変更など、これらの変更が発生した際には、適切な手続きが必要です。
しかし、「どんな変更に届出が必要なのか」「いつまでに提出すればいいのか」「必要書類は何か」など、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、宅建業免許取得後の変更手続きについて、届出が必要な事項、提出期限、必要書類、そして届出を怠った場合のリスクまで、行政書士の視点から実務に即して詳しく解説します。

変更届が必要な理由と法的根拠
宅建業免許を取得すると、免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)は「宅地建物取引業者名簿」を作成し、一定の事項を登載します。この名簿の登載事項に変更が生じた場合、宅地建物取引業法第9条に基づき、宅建業者は変更の届出を行う義務を負います。
この制度の目的は、以下の通りです。
変更届制度の目的
- 宅建業者の情報を常に最新の状態に保つ
- 取引の相手方や一般消費者が、正確な業者情報を確認できるようにする
- 行政が適切な指導監督を行うための基礎情報を整備する
- 不動産取引の透明性と安全性を確保する
宅建業の変更手続き
変更事項があった場合は、「変更が生じた日から30日以内」に届け出を提出しなければいけません。
提出先は大阪府の場合以下の場所になります。
正本1部、副本1部の2部提出します。
副本は、すべてコピーでも可能です。
変更届の提出を怠ったり、虚偽の届出をした場合、宅地建物取引業法違反となり、50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
届け出が必要な事項
・商号・名称
・法人の役員就任、退任
・使用人の就任、退任
・専任宅建士の変更、増員、減員
・主(従)事務所の住居表示の実施
・主(従)事務所の移転
・従事務所の新設、廃止または名称変更
・代表者・法人役員・使用人・専任宅建士の氏名変更
・営業保証金の変更
・免許証の亡失
変更に必要な書類
変更届出書(申請書)に下記の書類を添付して申請します。手数料は500円です。
| 変更事項 | 必要書類 | 手数料 |
| 商号・名称 | 履歴事項 免許証 | 必要 |
| 法人の役員就任 | 誓約書 代表者等の連絡先に関する調書 略歴書 履歴事項 身分証明書 登記されてない証明書 従事者の名簿 免許証 | 必要 |
| 法人の役員退任 | 履歴事項全部証明書(退任がわかるもので不明な場合は、閉鎖謄本も必要) 従事者の名簿 | 不要 |
| 使用人の就任 | 誓約書 代表者等の連絡先に関する調書 略歴書 身分証明書 登記されてない証明書 従事者の名簿 | 不要 |
| 使用人の退任 | 従事者の名簿 | 不要 |
| 専任宅建士の変更、増員(別途必要書類あり) | 専任宅地建物取引士設置証明書 誓約書(自署必要) 略歴書 専任宅建士の宅建士証写し 従事者の名簿 | 不要 |
| 専任宅建士の変更、減員 | 専任宅地建物取引士設置証明書 従事者の名簿 | 不要 |
| 主(従)事務所の住居表示の実施 | 免許証 履歴事項 住居表示実施証明書(個人のみ) | 必要 |
| 主(従)事務所の移転(号室の変更・増改築含む。) | 免許証 事務所を使用する権原に関する書面 事務所付近の地図・事務所の写真 履歴事項(本店移転、登記をした支店移転の場合) | 必要 |
| 従事務所の新設 | 使用人の就任に関する書類 専任宅建士に関する書類 従事務所に関する書類 従事者の名簿 (下記保証協会加入者は不要) 営業保証金供託済届出書、営業保証金の供託を証する書面:下記(1)、(2)a.b.のいずれ (1)供託書のコピー(原本持参) (2)弁済業務保証金分担金納付書 a.(公社)全国宅地建物取引業保証協会:「弁済業務保証金分担金納付書」写し(協会が原本照合を行ったもの) b.(公社)不動産保証協会:「弁済業務保証金分担金納付証明書」原本 | 不要 |
| 従事務所の廃止または名称変更 | 廃止→添付書類不要 名称変更→(登記された支店の場合)履歴事項 | 不要 |
| 代表者・法人役員・使用人・専任宅建士の氏名変更 | 履歴事項 戸籍抄本 免許証 | 必要 |
| 営業保証金の変更 | 供託書のコピー(原本持参) | 不要 |
| 免許証の亡失等 | 免許証(原本)残存している場合) | 必要 |
届け出が不要なケース
・事務所の電話番号変更
*書類提出は不要ですが、口頭等による連絡は必要です。
・ 代表者、法人役員等の自宅住所
・兼業の内容
・法人の資本金
・相談役及び顧問の氏名、住所、就退任日
・株主の状況
・代表者、政令使用人、法人役員、専任宅建士以外の従事者の異動
・事務所の移動を伴わない、使用権原の変更(貸主の変更など)
以上の項目は変更の届け出は不要です。5年の更新のタイミングで変更後の情報で更新します。
宅建業許可申請を行政書士に依頼するメリット
1. 「時間」という最大の経営資源を確保できる
起業前後において、経営者にとって最も貴重なリソースは時間です。
宅建業の免許申請には、膨大な書類の準備が必要です。
- 身分証明書や登記されていないことの証明書の取得
- 事務所の形態を証明する写真や図面
- 略歴書や誓約書
- 納税証明書や決算書の整理
これらを不慣れな方が一から調べ、役所を回り、不備なく揃えるには、かなりの時間を要するとので、行政書士に依頼すれば、経営者の作業は「押印」と「数点の書類用意」だけに絞られます。
2. 事務所要件の「事前判定」で手戻りを防ぐ
- 「自宅兼事務所でも大丈夫か?」
- 「他の会社と相部屋(シェアオフィス)だけど許可は下りるか?」
- 「入り口から他の会社を通らずに自社スペースに行けるか?」
これらは自治体ごとに非常に細かい基準があり、もし基準を満たさずに賃貸契約を結んでしまうと、せっかく借りたのに免許が下りないという最悪の事態になりかねません。
行政書士は、契約前の段階で現地の写真や図面を確認し、保健所や土木事務所の審査基準に適合するかをプロの目で判定します。これにより、無駄な家賃の支払いや改装費用の発生を未然に防ぐことができます。
3. 保証協会への入会手続きもワンストップ
宅建業を開始するには、免許の通知が届くだけでは不十分です。営業保証金(1,000万円以上)を供託するか、保証協会(ハトマーク・ウサギマーク)に入会して分担金を納める必要があります。
多くの業者が後者の保証協会を選びますが、この入会手続きがまた煩雑です。
- 免許申請と並行して進めるスケジュール管理
- 保証協会独自の必要書類の作成
- 面接日程の調整
行政書士は、免許申請とセットでこれらの手続きを代行します。「免許は下りたのに、保証協会の手続きが遅れて営業開始できない」という空白期間を作らせない、最短ルートのスケジュール管理が可能です。
4. 専任の宅建士や欠格事由の法的チェック
- 役員に過去の不祥事がないか
- 専任の宅建士が他の会社で登録されたままになっていないか
- 常勤性の証明に不足はないか
もし虚偽や不備があると、免許が下りないだけでなく、最悪の場合は虚偽記載として重いペナルティを受けるリスクもあります。行政書士は法的な観点からこれらを事前にチェックし、クリーンな状態で申請を遂行します。
5. 5年後の更新、変更届のフォロー体制
- 5年ごとの更新申請(忘れると免許失効・無免許営業に!)
- 役員の変更、事務所の移転、専任の宅建士の交代時の変更届(30日以内など期限あり)
これらが発生するたびに一から手続きを調べるのは非効率です。一度行政書士に依頼しておけば、自社の履歴を把握している「法務のパートナー」として、期限管理や迅速な届出を任せることができます。
まとめ
宅建業の変更届は、30日以内という期限があるため、変更が決まった時点で速やかに準備を開始することが重要です。特に、登記が必要な変更の場合、実質的な作業期間は20日程度しかありません。
本業をこなしながら必要書類を準備するのはタイトなスケジュールですので、早めの行動と計画的な準備が成功の鍵です。
当行政書士事務所では、宅建業免許の変更届出手続きを専門的にサポートしています。
- 必要書類のリストアップと収集支援
- 変更届出書の作成
- 行政窓口への提出代行
- 保証協会への届出アドバイス
- 登記手続きの司法書士紹介
変更届出でお困りの方、期限が迫っている方、初めての変更で不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料で承っております。

