大阪の行政書士事務所で勤務していますℳです。
日本で暮らす外国人の方々が本国への一時帰国やビジネスのために海外出張するして日本を離れ、再入国する際にどういった手続きが必要でしょうか。
「日本に再入国する時はまたビザを取り直すの?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
実は、適切な手続きをしないまま出国すると、在留資格が失効してしまい、再入国に多大な時間と労力がかかってしまいます。
今回は、日本に再びスムーズに入国するためのカギとなる「再入国許可」と、「みなし再入国許可」について解説します。この記事を読めば、以下のことが分かります:
再入国許可とみなし再入国許可の違いと使い分け
それぞれの申請方法と必要書類
よくある失敗例と注意点
状況別のおすすめ選択肢
出国前にこの記事を読んで、安心して日本を離れられる準備をしましょう。

再入国許可制度の基本知識
再入国許可制度とは何か
「再入国許可」とは、在留期間が満了する日より前に、日本に戻ってくる意思をもって一時的に出国する際に、あらかじめ申請して許可を得ておく手続きです。
この手続きを行うことで容易に再入国することができ、以下の大きなメリットがあります。
メリット1:ビザの再取得が不要 通常、日本を出国すると在留資格は消滅しますが、再入国許可があれば、出国前と同じ在留資格のまま日本に戻ることができます。
メリット2:時間とコストの大幅削減 海外の日本大使館や領事館でビザを申請し直す手間が省けるため、出張や帰国の予定が立てやすくなります。
メリット3:在留期間の継続 許可された在留期間が継続されるため、長期的な生活設計に影響がありません。
対象となる在留資格
再入国許可制度を利用できるのは、日本に適法に在留している中長期在留者です。
具体的には、在留カードまたは特別永住者証明書を所持している方が対象となります。就労ビザ(技術・人文知識・国際業務、技能など)、身分系ビザ(永住者、日本人の配偶者等、定住者など)、留学ビザなど、ほとんどの在留資格保有者が利用可能です。
ただし、短期滞在(観光ビザなど)で日本に滞在している方は対象外となりますので、ご注意ください。
再入国許可を利用しないとどうなるか
再入国許可やみなし再入国許可を取得せずに日本を出国した場合、それまで持っていた在留資格と在留期間は無効になります。
再び日本に入国するためには、ゼロから在留資格を取得し、上陸許可を受け直さなければなりません。この手続きには、必要書類の準備、審査期間の待機、場合によっては数ヶ月の時間がかかることもあります。
特に就労ビザの場合、雇用先企業との調整や新たな招聘理由書の準備など、会社にも大きな負担をかけることになります。こうした事態を避けるため、出国前に必ず適切な許可を取得しておくことが重要です。
申請場所
再入国許可は、出国前に地方出入国在留管理官署で申請する必要があります。
大阪府に在住している場合管轄は、大阪出入国在留管理局で申請可能です。
大阪出入国在留管理局は滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県を管轄しています。
大阪出入国在留管理局
559-0034
大阪府大阪市住之江区南港北一丁目29番53
申請期間・タイミング
出国前に申請する必要があります。出国予定日の前であればいつでも申請可能ですが、余裕を持って1〜2週間前には申請することをおすすめします。ただし、標準処理期間は当日とされており、通常は申請したその日のうちに許可が下ります。
申請方法の選択肢
窓口での申請のほか、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、または在留資格取得許可申請と同時に行う場合は、オンライン申請も可能です。オンライン申請の場合、手数料が若干安くなるメリットもあります。
手数料
再入国許可には、1回のみ使用できる「シングル」と、有効期間内であれば何度でも使用できる「マルチ(数次)」の2種類があります。
| 手数料 | オンライン申請手数料 | |
| シングル | 4,000円 | 3,500円 |
| マルチ | 7,000円 | 6,500円 |
有効期限と注意事項
再入国許可の有効期間は、現に有する在留期間の範囲内で、最長5年間(特別永住者の方は6年間)です。
許可時に与えられた有効期間(最大5年)、または在留期間の満了日のいずれか早い方なので、
期限が過ぎてしまうと、日本の在留資格は失効します。
在留期間の残りが3年の場合 → 再入国許可の有効期限は最大3年
在留期間の残りが6ヶ月の場合 → 再入国許可の有効期限は最大6ヶ月
期限内に日本に戻らなかった場合、在留資格は失効し、再度ビザの取得手続きが必要になります。海外での予定が延びる可能性がある場合は、余裕を持った計画を立てることが大切です。
また、在留期間の更新が必要な時期が近い場合は、出国前に在留期間の更新申請を済ませておくことも検討しましょう。
申請必要書類等
再入国許可申請書(窓口で入手可能、または法務省のウェブサイトからダウンロード可能)
在留カード又は特別永住者証明書
旅券を提示(提示できない場合は理由書が必要)
身分を証する文書等の提示(行政書士などの申請取次者が代理で申請する場合は、身分を証する文書等の提示も必要になります。)
「みなし再入国許可」とは?
1年以内の出国を想定している場合は、申請が不要な「みなし再入国許可」が便利です。
みなし再入国許可により出国しようとする場合は、旅券及び在留カードを所持し、出国時に入国審査官に対して、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えるとともに、再入国出入国記録(EDカード)に一時的な出国であり、再入国する予定である旨のチェック欄にチェックします。

参照:みなし再入国許可(入管法第26条の2) | 出入国在留管理庁
利用の流れ:
- 有効な旅券(パスポート)と在留カードを所持
- 出国時にEDカードの「一時的な出国であり、再入国する予定」欄にチェック
- 入国審査官にみなし再入国許可を利用することを伝える
- 旅券に「みなし再入国許可」のスタンプが押される
手数料は一切かからず、短期の帰国や出張には非常に便利な制度です。
手続きの対象者と対象外者
みなし再入国許可を利用できるのは、中長期在留者(在留カードをお持ちの方)で、有効な旅券と在留カードを所持している方です。
ただし、以下のケースに該当する方は、みなし再入国許可を利用できません。
(1)在留資格取消手続中の者
(2) 出国確認の留保対象者
(3)収容令書(不法入国や不法残留の疑いがある外国人を収容するために発行される法的文書)の発付を受けている者
(4) 難民認定申請中の「特定活動」の在留資格をもって在留する者
(5)日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして法務大臣が認定する者
申請場所
申請場所は、出国予定の空港や港です。
手数料
手数料は不要です。
有効期限
有効期限は出国の日から1年間です。
または在留期間の満了日のいずれか早い方なので、期限が過ぎてしまうと、日本の在留資格は失効します。
在留期間の残りが2年の場合 → みなし再入国許可の期限は出国日から1年間
在留期間の残りが6ヶ月の場合 → みなし再入国許可の期限は6ヶ月後の在留期間満了日まで
期限を過ぎてしまうと在留資格が失効するため、海外での予定が変更になる可能性がある場合は、事前に余裕を持った計画を立てることが重要です。
再入国許可とみなし再入国許可の使い分け
出国期間で選ぶ
再入国許可とみなし再入国許可のどちらを選ぶべきかは、主に出国予定期間によって判断します。
1年以内の短期出国の場合: 本国への帰省、短期の海外出張、海外旅行など、1年以内に確実に日本に戻る予定がある場合は、「みなし再入国許可」が最適です。事前申請不要で手数料もかからないため、手軽に利用できます。
1年を超える長期出国の場合: 留学、長期出張、親の介護など、1年以上日本を離れる可能性がある場合は、「通常の再入国許可」を取得する必要があります。みなし再入国許可は1年が上限のため、それを超える場合は選択肢がありません。また、みなし再入国許可の期間が1年を超え延長されることもありません。
期間が不確定な場合: 出国期間が確定していない、または延びる可能性がある場合は、安全策として「通常の再入国許可(マルチ)」を取得しておくことをおすすめします。7,000円の手数料はかかりますが、在留資格を失うリスクを考えれば、必要な投資です。
出国回数で選ぶ
出国の頻度も、選択の重要な判断材料です。
1回のみの出国の場合: 本国への一時帰国など、1回だけ出国する予定であれば、「みなし再入国許可」で十分です。手数料もかからず、手続きも簡単です。
複数回の出国が予定されている場合: 海外出張が多い仕事をしている方、複数の国を訪問する予定がある方などは、「通常の再入国許可(マルチ)」が便利です。有効期間内であれば何度でも使用できるため、その都度手続きする必要がありません。
コストパフォーマンスで選ぶ
経済的な観点からも比較してみましょう。
みなし再入国許可のコスト:
- 手数料:0円
- 手続き時間:出国時のみ(数分程度)
- 総コスト:実質0円
通常の再入国許可のコスト:
- 手数料:シングル4,000円(オンライン3,500円)、マルチ7,000円(オンライン6,500円)
- 手続き時間:申請のための往復時間を含めて数時間
- 総コスト:手数料+時間コスト
2回以上出国する場合の試算: 2回以上の出国を予定している場合、1回目をみなし再入国許可、2回目を通常の再入国許可(シングル)で対応すると、合計4,000円かかります。これなら最初からマルチ(7,000円)を取得した方が、手間も省けて経済的です。
年に2回以上海外に行く予定がある方は、マルチの再入国許可を検討する価値があります。
よくある質問と注意点
在留期間との関係で注意すべきこと
再入国許可やみなし再入国許可を利用する際、多くの方が見落としがちなのが在留期間との関係です。
最も重要なポイント: 再入国許可の有効期限内であっても、在留期間の満了日までに日本に戻らなければ、在留資格は失効します。
推奨される対応策: 出国前に在留期間の残りを必ず確認し、在留期間の更新が必要な時期が近い場合は、出国前に在留期間更新許可申請を行うことを強くおすすめします。
再入国時の入国審査で注意すべきポイント
再入国許可やみなし再入国許可を持っていても、日本への再入国時には入国審査があります。
入国審査で確認されること:
- 旅券と在留カードの有効性
- 再入国許可またはみなし再入国許可の有効期限
- 在留期間の残り
- 出国期間と出国理由の妥当性
スムーズに入国するための準備:
- 旅券と在留カードを忘れずに携帯
- 出国目的を説明できるように準備(出張の場合は招聘状など)
- 在留資格に関連する書類(会社の在職証明書、学校の在学証明書など)があれば用意
- 日本の住所が変わっている場合は、再入国後14日以内に住所変更の届出が必要
入国審査官から質問される可能性がある内容:
- 出国の目的と滞在先
- 日本での活動内容(仕事、学業など)
- 今後の予定
まとめ|安心して出国するために
再入国許可・みなし再入国許可の選択フローチャート
最後に、どちらの制度を利用すべきかを簡単に判断できるフローチャート形式でまとめます。
ステップ1:出国期間の確認
- 1年以内に確実に戻る → 次のステップへ
- 1年を超える可能性がある → 通常の再入国許可(マルチ)を選択
ステップ2:出国回数の確認
- 1回のみ → みなし再入国許可を利用
- 複数回予定 → 通常の再入国許可(マルチ)を選択
ステップ3:在留期間の確認
- 在留期間の残りが出国期間より長い → 選択した方法で問題なし
- 在留期間が不足する → 出国前に在留期間更新申請を行う
ステップ4:特殊事情の確認
- 在留資格取消手続中、収容令書発付などの事情がある → 通常の再入国許可を申請(みなし再入国許可は利用不可)
- 特に問題なし → 選択した方法で手続き
手続きを忘れた場合の対処法
万が一、再入国許可やみなし再入国許可の手続きを忘れて出国してしまった場合はどうすればよいでしょうか。
残念ながら、この場合は在留資格が失効します。
出国後に取るべき対応:
- 速やかに最寄りの日本大使館・領事館に相談
- 在留資格の再取得手続きについて確認
- 必要書類を準備して、新規にビザ申請
再取得に必要な主な書類(就労ビザの例):
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 雇用契約書または招聘理由書
- 会社の登記事項証明書
- 決算書類
- 履歴書
- 卒業証明書
- その他、在留資格に応じた書類
この手続きには数週間から数ヶ月かかる場合があり、大きな時間的・経済的損失となります。出国前に必ず適切な手続きを行うことが何よりも重要です。
当事務所のサポート内容
大阪の行政書士事務所である当事務所では、再入国許可に関する以下のサポートを提供しています。
無料相談サービス:
- 再入国許可とみなし再入国許可のどちらが適しているか
- 在留期間の確認と更新の必要性の判断
- 出国スケジュールに合わせた最適な手続きプランの提案
申請代行サービス:
- 再入国許可申請書の作成
- 必要書類の確認とチェック
- 出入国在留管理局への申請取次
- 在留期間更新許可申請との同時申請
緊急対応サービス:
- 急な出国が決まった場合の即日対応
- 出国中に問題が発生した場合のリモート相談
- 帰国後の各種手続きサポート
関西地域(大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)にお住まいの方を中心に、多くの実績がございます。
お問い合わせをおすすめする方:
- 初めて一時出国する方
- 在留期間と出国期間の関係が分からない方
- 会社の海外出張が急に決まった方
- 長期の帰国を予定している方
- 過去に手続きで失敗した経験がある方
出国前の不安を解消し、安心して海外に渡航できるよう、専門家としてサポートいたします。
出入国在留管理局の手続きは、法改正によって変更される場合があります。最新の情報は、法務省出入国在留管理庁の公式ウェブサイトでご確認いただくか、当事務所にお問い合わせください。
日本での生活を継続するために、適切な再入国許可の取得は欠かせません。この記事が、皆様の安心・安全な出国と再入国の一助となれば幸いです。
まとめ
1年以内に日本に再入国する場合は、事前申請不要の「みなし再入国許可」がおすすめです。
再入国許可、みなし再入国許可を取得せずに日本を出国や期限内に日本に再入国できないと、それまで持っていた在留資格と在留期間は無効になります。
再び日本に入国するためには在留資格を再取得し、上陸許可を受け直さなければなりません。これは大変な手間と時間がかかりますので、必ずどちらかの許可を得て出国するようにしましょう。


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