こんにちは。大阪の行政書士事務所で勤務していますℳです。
今回は外国人の方が日本に入国する際に必要な「査証」について解説していきます。
査証の概要や目的、また日本で中長期的に滞在する場合に必要な「在留資格」との違いについて、実務経験を踏まえながらわかりやすくお伝えします。

査証とはなにか?
「査証」とは、「出入国管理及び難民認定法」で定められた日本に上陸するに必要な許可証です。英語では「Visa(ビザ)」と呼ばれ、パスポートに貼付される形で発給されます。
日本到着時や日本滞在中に査証を取得することはできず、査証は海外にある日本国大使館または総領事館等において発給されます。
査証は入国を保証するものではありません。
査証がないと日本に上陸できませんが、最終的な入国の可否は、現地の入国審査官によって決定されます。。つまり査証の役割は、「この人物は日本に入国しても問題ないと思われます」という推薦状のようなものなのです。
査証・証印・在留資格の違いとは
日本入国に関わる用語として「査証」「証印」「在留資格」という3つの言葉がありますが、これらは似ているようで全く異なる役割を持っています。時系列に沿って、それぞれがどのように機能するのかを見ていきましょう。
日本入国時のそれぞれの役割
①査証は「使用済み」になる
空港での入国審査を通過した時点で、パスポートに貼られた査証の効力はなくなり役目を終えます。
一次有効査証(シングルビザ): 1回入国すると失効します。再度入国したい場合は、新たに査証を取得しなければなりません。
数次有効査証(マルチビザ): 有効期間内であれば何度でも使えますが、その回の「入国するための許可証」としての役割はその時点で終了します。次回の入国時には、同じ査証を再度利用することになります。
②上陸許可の証印が重要になる
入国審査官から入国を認められると、パスポートに旅券に上陸許可の証印が貼られます。 証印には以下の情報が記載されており、これが日本に滞在するための「身分証明」になります。
在留資格(Status): 「短期滞在」「技術・人文知識・国際業務」など
在留期間(Period of Stay): 「90日」「1年」「3年」「5年」など
上陸許可年月日:実際に日本に入国した日付
在留期限:日本を出国しなければならない期限
③在留カードが交付される(中長期滞在の場合)
観光などの「短期滞在」以外で日本に90日以上滞在する人の場合、空港で「在留カード」が発行されます。 日本国内では、パスポートに貼られたビザではなく、この「在留カード」が法的な滞在許可証として機能します。在留カードは日本滞在時には常時携帯する義務があり、警察官などから提示を求められた際には必ず提示しなければなりません
査証・証印・在留資格の違い
役割の違い
査証は日本に入国する際に必要な許可証です。入国すると役目を終えます。
証印は適法な上陸許可の証明になるシールです。パスポートに貼付され、在留資格と在留期間を示します。
在留資格は日本で中長期的に滞在する場合に必要な資格です。在留カードという形で発行され、日本での活動内容と滞在期限を明確にします。
形状の違い
査証はパスポートに貼り付ける大きなステッカーみたいなものです。発給した日本大使館の情報、査証の種類、有効期限などが記載されています。
証印はパスポートに貼り付ける小さなシールみたいなものです。上陸許可の年月日と在留資格、在留期間が記載されています。
在留資格は運転免許証と同等サイズのカードです。氏名、生年月日、国籍、在留資格、在留期限、就労の可否などの情報が記載されています。
「ビザ」とは何か?
「ビザ」という言葉は、本来は「査証」のことを指します。しかし、日常会話では査証と在留カードの両方を「ビザ」と呼ぶことが多く、混乱の原因となっています。
例えば、日本で働いている外国人の方から「ビザの更新をしてほしい」という依頼があった場合、この「ビザ」は実際には「在留カード(在留資格)」を指しています。なぜなら、査証は入国時に一度使えば効力を失うため、日本国内で更新することはないからです。
このように、文脈によって「ビザ」が何を意味するのかを正しく理解することが重要です。
査証と在留資格は別物で、役割が違います。
| 項目 | ビザ(査証) | 在留資格 |
| 役割 | 入国のための審査(推薦) | 日本での活動する権利 |
| 管轄 | 外務省(現地の日本大使館・領事館) | 出入国在留管理庁(法務省) |
| ポイント | 短期滞在の場合は、ビザ免除国がある。 | 更新が必要。 |
| 効力 | 日本に上陸したら役割終了 | 日本にいる間は必ず必要で、在留カードを常時携帯する必要がある。 |
日本の「短期滞在ビザ」の免除対象とは
日本に旅行や、親族訪問など短期的に入国する場合、国籍によっては査証が不要な場合があります。これは両国間の友好関係や経済交流の促進、観光振興などを目的とした相互免除措置によるものです。
日本の「短期滞在ビザ」の免除対象は現在、74の国・地域に対する査証免除措置を実施しています。(令和7年9月1日時点)
これらの国のパスポートを持っている人は、短期滞在であれば、事前のビザ申請なしで日本に入国し、滞在することができます。主な対象国を地域別にまとめました。
| 地域 | 主な対象国・地域 |
| アジア | 韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ |
| 北米 | アメリカ、カナダ |
| 欧州 | イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、オランダ |
| オセアニア | オーストラリア、ニュージーランド |
| 中南米 | アルゼンチン、チリ、メキシコ、ブラジル、ペルー |
| 中近東 | イスラエル、アラブ首長国連邦、カタール、トルコ |
上陸許可の際に付与される在留期間は、インドネシア及びタイは「15日」、ブルネイ及びカタールは「30日」、その他の国・地域については「90日」となります。他の注意点は外務省のHPを参照してください。
一方、査証が必要な主な国としては、中国、ベトナム、フィリピン、インド、ミャンマー、ネパール、スリランカ、バングラデシュなどがあります。これらの国からの渡航者は、たとえ数日間の観光目的であっても、事前に査証を取得しなければなりません。
日本のパスポートでは、査証なしで渡航できる国数は190カ国にも及び、2026年時点で世界第2位を誇ります。ですが、 査証免除は必ずしも双務的なものではありませんので、日本に入国する際の免除国は74の国・地域となっています。
査証の申請方法
短期滞在の場合

査証の申請場所は、日本入国前に外国の日本領事館、大使館で申請します。(日本国内では申請できません)。
必請には以下のような書類が必要となりますが、入国目的や申請人の国籍・地域によって必要書類は異なります。
基本的な必要書類
パスポート(有効期間が十分に残っているもの)
査証申請書(所定の様式)
写真(規定のサイズ、背景色)
渡航目的を証明する書類
滞在費用の支弁能力を証明する書類(預金残高証明書など)
査証の申請から発給までに必要な期間は、申請内容に特に問題のない場合、申請受理から1週間程度です。
査証は原則として、1回の入国に限り有効で、有効期間は、発給の翌日から起算して3か月間です。有効期間内に日本に入国する必要があります。
中長期滞在の場合

日本に90日以上滞在する場合は、査証と合わせて在留資格認定証明(COE)の申請も必要です。
在留資格認定証明の申請先は日本の「地方出入国在留管理局(入管)」です。申請する具体的な場所は、呼び寄せる側の所在地や、外国人が住む予定の場所によって決まります。申請先は外国ではないため、一般的に在留資格認定証明は受け入れ先の企業や、行政書士が取り次いで申請することになります。
手続きの流れ
- 日本国内で在留資格認定証明書を申請(受入機関または行政書士が代行)
- 在留資格認定証明書が交付される(通常1~3か月の審査期間がかかります。申請に手数料は不要です。)
- 在留資格認定証明書を外国にいる本人に送付
- 本人が現地の日本大使館・領事館で査証を申請(在留資格認定証明書を添付)
- 査証が発給される
- 日本に入国し、空港で上陸許可を受ける
- 在留カードが交付される
査証の手数料
査証の発給には手数料が必要です。手数料額は、一次有効査証は約3,000円、数次有効査証は約6,000円、通過査証は約700円です。
| ビザの種類 | 現在の標準的な料金(目安) |
| 一次有効査証(1回のみ) | 約 3,000円 |
| 数次有効査証(マルチ) | 約 6,000円 |
| 通過査証(トランジット) | 約 700円 |
原則として、査証の発給を受ける日本国大使館又は総領事館の所在地国(地域)の通貨での支払いになります。例えば、タイの日本大使館で申請する場合はタイバーツで、アメリカの総領事館で申請する場合は米ドルで支払うことになります。
為替レートの変動により、円換算額は変わることがありますので、申請時に最新の料金を確認することをお勧めします。
FAQ
Q1:短期滞在とはどんな滞在ですか?短期滞在の注意点は?
短期滞在とは、観光、商用、知人・親族訪問等の90日以内の滞在を指します。短期滞在という在留資格ですが、在留カードの発行はされません。この短期滞在中は収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を得る活動を行うことは認められません。つまり、アルバイトや仕事をすることはできません。商談や会議への参加は可能ですが、実際に労働として働くことは違法となります。
また、基本的には「短期滞在」の更新はできません。病気やケガによる治療が必要な場合や、その他やむを得ない特別な事情がある場合には、例外的に認められることがあります。
Q2:在留資格認定証明書(COE)の交付を受けているのに査証発給拒否になったのはなぜですか?
在留資格認定証明書とは、入国審査手続きの簡易迅速化と効率化を図ることを目的として、外国人が上陸審査の際に日本で行おうとする活動が虚偽のものでなく、かつ、出入国管理及び難民認定法上のいずれかの在留資格に該当する活動である等の上陸(入国)の条件に適合していることを法務大臣が証明するものであって、査証の発給を保証するものではありません。
査証審査の過程で、査証の原則的発給基準を満たさないことが判明した場合には、在留資格認定証明書が発給されていても、査証は発給されない場合があります。なお、査証不発給の明確な理由は教えてもらうことができません。査証の原則的発給基準 を満たしていない場合は不発給となります。
Q3:査証免除国の国民でも査証が必要になることはありますか?
はい、あります。査証免除措置は「短期滞在」目的の場合のみ適用されます。以下のような場合は、査証免除国の国民であっても査証の取得が必要です。
- 90日を超えて滞在する場合
- 就労する場合
- 留学する場合
- 家族を呼び寄せて長期滞在する場合
- 研修や技能実習を行う場合
行政書士に依頼するメリット
査証や在留資格の手続きは、ご自身で行うことも可能ですが、行政書士などの専門家に依頼することで以下のようなメリットがあります。
書類作成と「取次申請」による負担軽減: 特に中長期滞在の場合、日本の出入国在留管理局への申請が必要になります。申請取次ができる行政書士は、ご本人や企業担当者に代わって入管へ足を運び、手続きを行うことができます。これにより、多忙な業務や準備の時間を大幅に節約できます。
複雑な書類作成のサポート:在留資格の申請には、多数の書類が必要です。申請理由書、事業計画書、財務書類など、専門的な知識がなければ適切に作成することが難しい書類も含まれます。行政書士は、これらの書類を法律に基づいて正確に作成し、審査で有利になるようなポイントを押さえた説得力のある書類を準備します。不許可のリスクを最小限に抑えることができます。
許認可・永住許可・帰化申請なども相談可能: 行政書士は在留資格「経営・管理」会社設立や許認可申請や、「永住者」、「帰化申請」の業務も可能なので、日本での生活を長期的にサポート可能です。日本での生活を長期的にサポートできる専門家として、ライフステージに応じた様々な相談に対応可能です。例えば、最初は就労ビザで来日し、その後会社を設立して経営者となり、最終的に永住許可を取得するといった長期的なキャリアプランをサポートすることができます。
最新の法改正や手数料改定への迅速な対応: 出入国管理及び難民認定法は、社会情勢に応じて頻繁に改正されます。また、現在、日本政府は入管手数料の大幅な引き上げを検討しており、2026年度以降はコスト面でも大きな変化が予想されます。専門家に相談することで、常に最新の情報に基づいた最適なスケジュールと戦略を提案いたします。法改正の影響を最小限に抑え、スムーズな手続きを実現できます。
不許可時のリカバリー支援:万が一、申請が不許可となった場合でも、行政書士は不許可の理由を分析し、再申請の戦略を立てることができます。多くの場合、不許可の原因は書類の不備や説明不足であり、これらを改善することで再申請が成功することがあります。
当事務所では、大阪府・兵庫県・奈良県を中心に、国際業務・在留資格申請のサポートを行っております。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は、日本入国の第一歩となる「査証(ビザ)」の基礎知識について解説しました。
査証(ビザ)は海外の日本大使館等が発行する「入国のための推薦状」
在留資格は日本国内で活動し、滞在するための「身分証明(資格)」
短期滞在には免除国がある。中長期滞在には在留資格認定証明書が必要
日本での生活やビジネスをスムーズに始めるためには、違いを正しく理解し、余裕を持って準備を進めることが大切です。
「自分の国籍はビザが必要?」「会社で外国人を雇用したいが手続きがわからない」「海外にいる家族を日本に呼びたい」など、少しでも不安なことがあれば、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。


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