令和9年(2027年)4月1日より新しい運用である「育成就労制度」が開始されます。これまで導入されていた「技能実習制度」に代わる制度であり、その目的が国際貢献から人材の育成・確保に変わります。日本の労働力不足を解消し、日本で働く外国人の権利を守りながら、即戦力となる人材を育てるための改革と言えます。
今回は出入国在留管理局の2026年2月20日に公開された、「育成就労制度運用要領」を参考にして、育成就労制度の概要や運用方法、育成就労計画認定申請書の認定方法などについて詳しく解説していきます。

育成就労制度って何?技能実習制度との違いをわかりやすく解説
技能実習制度とは
「技能実習制度」とは、1993年に創設され、発展途上国の外国人の方を日本での技能等の修得等を通じた人材育成により国際貢献を行うことが目的の制度です。日本で技術を学び、母国に持ち帰って発展に役立ててもらうという国際協力の形をとっていたのです。しかし、「転籍(職場を変えること)」が原則禁止されていたことや、実習生の失踪、人権侵害のリスクなどが問題となっていました。
育成就労制度が生まれた背景と目的
こうした背景から誕生するのが「育成就労制度」です。この新制度の最大のポイントは、これまでの「国際貢献」という建前を廃止し、「日本の人手不足分野における人材確保」と「人材育成」を目的としたことです。
育成就労制度は、こうした分野で働く外国人を未経験から受け入れ、3年間の就労を通じて、特定技能1号水準への育成を目指しています。
技能実習制度との主な違い
①「転籍(転職)」の扱い
技能実習では原則として転職ができませんでした。しかし、育成就労制度では、一定の条件(同じ業務分野であること、一定期間就労していること、日本語能力など)を満たせば、本人の意向による転籍が可能になります。
②「人材の質の担保」
育成就労制度では「特定技能1号への移行」が明確なゴールとして設定されています。そのため、受け入れ企業は外国人が日本語試験や技能試験に合格できるよう、教育や支援を行う責任がより重くなります。
③「受け入れ人数の枠」
これまでは企業の規模に応じて受け入れ人数が決まっていましたが、新制度では制度の趣旨に沿って適正に育成が行われているかを重視し、優良な企業には受け入れ枠を拡大する措置なども検討されています。また、外国人が来日する際の手数料負担を減らすため、企業側が初期費用の一部を負担する仕組みも導入される予定です。
④「派遣」の扱い
技能実習は派遣就労不可でしたが、育成就労は一定の条件下で派遣が可能です。
| 項目 | 技能実習制度 | 育成就労制度 |
| 派遣の可否 | 禁止 | 条件付きで可能 |
| 主な理由 | 「特定の施設で技能を習得すること」が目的であり、労働力調整の手段とすることを防ぐため。 | 季節性のある業務など、働きながら効率的に技能を習得するために派遣が有効なケースがあると判断されたため。 |
| 派遣ができる範囲 | すべて禁止 | 主務省令で定められた「労働者派遣等育成就労産業分野」のみ |
育成就労の2種類の形態
育成就労の形態としては、大きく、単独型育成就労・ 監理型育成就労に分けられます。
| 形態 | 内容のイメージ | ポイント |
| 単独型 | 海外支店や関連会社から受け入れる。 | 自社グループ内の転勤に近い形。 |
| 監理型 | 監理支援機関の指導を受けながら受け入れる。 | 中小企業などが主に対象。派遣形態も可能。 |
さらに監理型には、通常の監理型と「取引上密接な関係を有する外国の公私の機関」の外国にある事業所の職員である外国人を雇用する形態があります。監理型育成就労は派遣形態も認められます。
また、単独型、監理型どちらも、複数の育成就労実施者が共同して育成就労(労働者派遣等の形態によるものを除く。)を行うことが認められています。
育成就労開始までの主な流れ
① 育成就労計画の認定申請
認定申請は、育成就労開始予定日の6か月前から可能で、原則として、開始予定日の4か月前までに申請を行う必要があります。育成就労計画の認定申請は、機構地方事務所・支所の認定課で受け付けます。
② 育成就労計画の審査・認定
③ 認定通知書の交付
認定の決定がされた場合は、機構から育成就労計画の認定通知書が交付されます。
④ 在留資格認定証明書(COE)の交付申請
監理支援機関は、育成就労計画の認定通知書等を添付書類として、地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付申請を行います。育成就労計画の認定を受けてから、通常行われる在留資格認定を受ける流れです。

⑤ 在留資格認定証明書の交付
在留資格認定証明書の交付を受けた監理支援機関は、育成就労外国人に対して交付を受けた在留資格認定証明書を送付します。育成就労外国人は、在外日本国公館において査証(ビザ)を取得し、日本に入国します。
育成就労制度の入国前の手続き
育成就労計画認定申請書の提出・認定
外国人を日本に呼ぶためにはまず、受け入れ企業である育成就労実施者(以下:実施者)は、外国人ごとに「育成就労計画」を作成して、機構から認定を受ける必要があります。この計画は、技能目標、日本語能力、待遇等の基準をすべて満たす必要があります。実施者の責務として、計画の遵守、外国人が就労に専念できる環境整備、労働関連法令の遵守が義務付けられています。
必要書類は下記の通りで、その他に旅券(パスポート)の写し、健康診断書、技能・日本語能力の証明、費用負担の証明等の多くの添付書類が必要になります。
| 書類名 | 対象・適用条件 | 備考 |
| 育成就労計画認定申請書 | 共通 | 省令様式第1号 |
| 理由書及び適合立証資料 | 共通 | 参考様式第1-1号ほか、規則第3条第2号の基準適合性を立証する書類 |
| 登記事項証明書 | 法人の場合 | 共同で育成就労を行わせる場合は、各法人分が必要 |
| 住民票の写し | 個人事業主の場合 | |
| 労働者派遣契約書 | 労働者派遣を行う場合 | 労働者派遣等監理型育成就労の場合に必要 |
育成就労計画の主な記載内容
- 実施者および事業所の情報: 名称、所在地、代表者など。
- 外国人の情報: 氏名、国籍、生年月日など。
- 育成就労の目標: 3年終了時までに技能検定3級(又は育成就労評価試験)および日本語能力試験(A2相当)への合格を目指すことを明記します。
- 就労内容: 従事させる業務区分、必須業務、安全衛生業務などの詳細。
- 待遇: 報酬(日本人と同等以上)、労働時間、休日、宿泊施設、食費や居住費の自己負担額など。
- 体制: 育成就労責任者、指導員、生活相談員の氏名と役職。
育成就労計画の認定の基準|作成のチェックポイント
認定を受けるには、以下の要素を全て基準を満たしている必要があります。
- 対象分野: 人材確保が必要な「育成就労産業分野」であること。
- 育成目標: 技能検定(3級等)または同等の評価試験の合格、および生活・業務に必要な日本語能力(原則A2相当以上)の習得を目標に掲げること。
- 業務内容: 同一作業の反復のみではないこと。必須業務に時間全体の1/3以上、安全衛生業務に1/10以上を充てること。
- 体制・環境: 適切な指導体制の整備や日本人と同等の労働条件、法令を遵守すること。
外国人本人に関する要件は以下の通りです。
- 年齢・健康: 18歳以上、健康状態が良好であること。
- 素行・適格性: 犯罪歴がないこと(素行善良)、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国籍でないこと。
- 経験・推薦: 単独型なら「外国事業所での継続して1年以上の常勤の勤務」、監理型なら「公的機関の推薦」や「密接な関係機関での1年以上の勤務」が必要です。
就労させる内容が人材確保が必要な「育成就労産業分野」であり、特定技能1号へと繋がるものであることを確認してください。
日本語能力A2相当の目標達成に向け、認定日本語教育機関での学習など、必要な措置(費用の負担や環境整備)を計画に盛り込む必要があります。
行政書士等は育成就労制度申請において、この育成計画のサポートができるのではないかと判断されます。
育成就労制度の入国前後の手続き
入国後講習の受講
育成就労外国人は、入国後一定の期間、 日本語や生活一般に関する知識など日本での円滑な技能の修得に資する知識
についての4科目からなる入国後講習を受講する必要があります。
- 日本語
- 日本の生活一般に関する知識(交通ルール、ゴミ出し、防災等)
- 法的保護に必要な情報(法令遵守、相談先、転籍の手続き等)
- 技能修得に資する知識(業務の仕組み、安全衛生教育等)
入国後講習の実施体制と注意点
- 実施者: 原則として「監理支援機関」または「育成就労実施者」が行いますが、外部委託も可能です。
- 講習期間中の就労禁止: 講習期間中に、実際の作業(模擬作業含む)をさせることは認められません。
- 法的保護科目の講師: 専門的な知識を有する者(弁護士、行政書士、社労士等)が講師を務める必要があり、実施者や監理支援機関のスタッフは講師になれません。
必要な講習時間数(総時間)
日本語能力の有無(A1相当)や、入国前講習の受講実績によって異なります。
| 日本語能力(A1相当) | 入国前講習(110〜160時間以上)あり | なし(未受講・不合格) |
| 合格済み | 110時間以上 | 220時間以上 |
| 未合格 | 160時間以上 | 320時間以上 |
育成就労外国人は、3年間で「特定技能1号」水準(原則A2相当)の日本語能力を習得することが目標です。そのため、3年間のうちに、認定日本語教育機関などによる「A2相当を目指す講習」を100時間以上受講させる必要などの支援が実施者に義務付けられています。

特定技能1号移行のための試験の受験の義務
育成就労制度の期間は原則3年間です。3年を6か月以上下回る(2年6か月未満など)計画は、適切な育成が困難とみなされ、認定されない可能性があります。
育成就労実施者は、外国人に以下のタイミングで試験を受験させる義務があります。企業は、日々の業務を通じて技能を指導するだけでなく、これらの試験に合格できるよう、勉強時間の確保や日本語学習の支援を行う必要があります。
3年間の育成就労を無事に修了し、目標としていた技能試験と日本語試験に合格すると、「特定技能1号」という在留資格への移行が可能です。
| タイミング | 技能評価の内容 | 日本語評価の内容 |
| 1年目以内 | 基礎級 / 初級試験 | A1相当試験 |
| 3年目修了まで | 3級 / 専門級 / 特定技能1号試験 | A2相当試験 |
受け入れ企業(育成就労実施者)が知っておくべきルールと条件
受け入れ企業が満たすべき要件・準備すること
まず、社内の体制整備が必要です。具体的には、以下の3つの役割を担う担当者を選任する必要があります。
- 育成就労責任者:制度の運用全体を管理・監督する責任者。役員などが就任することが多いです。
- 育成就労指導員:現場で実際に技能を教える指導役。5年以上の実務経験を持つベテラン社員などが適任です。
- 生活相談員:外国人の日常生活の困りごとや相談に乗る担当者。親身になって話を聞ける方が向いています。
これらの担当者は、それぞれ制度に関する講習を受講することが義務付けられる場合があります。また、過去5年間に労働基準法違反や入管法違反がないこと、暴力団との関わりがないことなど、法令遵守(コンプライアンス)の体制が整っていることも大前提です。
さらに、適切な「育成就労計画」を作成できる能力も求められます。これには、具体的な指導内容や到達目標だけでなく、安全衛生教育の実施計画なども含まれます。自社だけで作成が難しい場合は、「監理支援機関」のサポートを受けながら作成することになります。監理支援機関については次の記事で詳しく解説します。
住環境・費用負担・事業所の設備のルール
住環境の整備:社宅やアパートを用意する場合、一人当たりの寝室スペースとして4.5平方メートル以上を確保することや、プライバシーに配慮した設備などが求められます。
旅費の負担: 「一時帰国(年1回)」や「修了後の帰国」に要する旅費は、原則として実施者側が負担します(本人負担は不可)。
*一時帰国の規定は育成就労では、年間を通じた周年作業を3年間連続して行うことと想定していますが、季節的要因によって業務に従事できない時季がある育成就労産業分野に限り、その期間内に毎年定期的に一時帰国をすることで、育成就労全体の稼働年数に不均衡が生じないよう配慮をしている規定です。
技能修得に必要な設備: 計画にある「必須業務」を行うために必要な機械や器具が揃っていることが条件です。
給料のルール
日本人と同等以上の待遇を確保し、不当な差別を禁止しています。
- 日本人と同等以上: 同じ業務をする日本人と同等の給料を支払う必要があります。
- 技能に応じた昇給: 2年目、3年目と技能が上がるにつれて昇給を行うことが求められます。
- 残業代の適正支払: 法令通りの割増賃金が必要です。また、残業中も指導ができる体制でなければなりません。
- 支払い方法: 本人名義の銀行口座振込が原則です。手渡しの場合は、確実に支払った証拠(受領印等)が必要です。
受け入れ人数の上限
育成就労外国人の受け入れ人数(受入れ枠)は、企業の「常勤職員数」を基準として計算されます。また、企業の適正性や地域的な特性により、枠が段階的に拡大される仕組みになっています。
監理支援機関の役割
監理支援機関とはどんな組織か?何をしてくれるのか
育成就労計画の認定基準は、企業が直接海外支店等から受け入れる「単独型」と、支援団体を通す「監理型」があり、それぞれ監査体系が異なります。
単独型(自社で直接受け入れ)の場合、厳格な監査体制が求められます。監査人に選べる人の要件は 外国人を直接指導する上司や、指揮命令できる立場の人は不可となります。そして、過去3年以内に専用の「監査人講習」を修了していることが必要です。 監査の方法は3か月に1回以上、必ず実施し「実地確認」が必須です。
監理型(監理支援機関=旧監理団体を通じて受け入れ)の場合、外部のチェック機能が働くことが前提となります。
- 指導の継続: 育成就労計画を作成する段階から指導を受けた「監理支援機関」による支援を、継続して受けなければなりません。
- 中立性の確保(監理支援責任者):
- 監理支援機関側の担当者(責任者)が、受け入れ企業の役職員であったり、その親族(二親等以内)であったりする場合は、その企業を監理することはできません。
- 機関が変わる場合:
- 監理支援機関が許可取消しになった等で変更する場合は、新しい機関の指導のもとで計画を作り直し、「計画の変更認定」を受ける必要があります。
転籍(転職)のルール
転籍(転職)はどんな条件でできるのか
まず、「やむを得ない事情」がある場合は、これまで通り転籍が認められます。これは、会社の倒産や経営不振、あるいはパワハラやセクハラなどの人権侵害があった場合です。
そして育成就労制度では本人の意向による転籍が、以下の条件の場合、認められます。
外国人が転籍を希望する場合、まずは書面(申出書)による手続きが必要で、以下の要件が求められます。
- 就労期間:同一の職場で1年~2年就労していること(分野によって期間が異なります)。
- 能力要件:一定の日本語能力(A1相当以上・N5~N4レベル相当)と、技能検定試験(基礎級など)に合格していること。
- 職種:原則として、同じ業務区分(仕事内容)の範囲内での転籍であること。
支援の義務: 監理支援機関は、転籍先が見つからない場合に、機構に対して「支援要請書」を提出するなど、外国人の就労継続をサポートする責任があります。
転籍先となる実施者の基準
転籍先(新たな受け入れ先)は、以下の全ての条件をクリアしなければなりません。
① 現に他の外国人も受け入れていること:転籍者だけを受け入れるのは不可です。通常の計画認定に基づき、すでに外国人を雇用している事業所である必要があります。
② 本人意向転籍者の受入割合(制限):事業所内の外国人総数のうち、本人意向転籍者が占める割合には上限があります。
| 所在地 | 本人意向転籍者の受入上限割合 |
| 指定区域外(大都市圏) | 外国人総数の 1/6以下 |
| 指定区域内(地方圏) | 外国人総数の 1/3以下 |
- 転籍後に在籍する外国人が5人以下の場合は、地方圏なら1人まで受け入れ可能です。
- 「やむを得ない事情」による転籍者は、この計算に含まれません。
③ 優良な育成就労実施者であること:転籍を受け入れる実施者は、「優良な育成就労実施者」の認定基準を満たしている必要があります。
④ 民間職業紹介事業者を使わないこと:本人意向の転籍において、民間職業紹介会社や特定募集情報提供事業者を介在させることは禁止されています。ハローワーク、機構、監理支援機関等の公的な窓口を通じる必要があります。
「監理型」育成就労において、海外の「送出機関」を利用する際のルール
「監理型」育成就労において、海外の「送出機関」を利用する際にいくつかルールがあります。これは、外国人の経済的負担を減らし、不当な搾取を防ぐための規定です。
送出機関の認定要件(誰が取り次げるか)
外国の送出機関は、以下の要件を満たし、「外国政府認定送出機関リスト」に載っている必要があります。
- 政府の推薦: 送出国政府から、適正な取り次ぎができる機関として推薦を受けていること。
- 情報公開: 手数料や費用の算出基準をインターネット等で公表していること。
- コンプライアンス: 過去5年以内に保証金の徴収、違約金契約、人権侵害、不正な書類の提供などの悪質な行為をしていないこと。
- 二国間取り決め(MOC): 原則として、日本政府と二国間取決め(MOC)を結んでいる国の機関であること。
リストに載っていない機関からの取次ぎを受けた場合、育成就労計画の認定は受けられません。申請前に必ず「外国政府認定送出機関一覧」を確認してください。リストで機関名だけでなく、機構が外国政府認定送出機関に付す9桁(英字3桁・数字6桁)の送出機関番号も確認しましょう。
外国人が支払う費用の上限
送出機関が外国人から徴収できる費用に上限があります。送出機関への支払いが現地通貨で行われる場合、円換算は「財務省支出官レート」に基づき計算するルールになっています。
- 上限額: 「報酬(所定内賃金)の月額 × 2か月分」まで。
- 対象となる費用の範囲: 名目を問わず、送出に関連して支払った、数料、職業紹介費、研修費、渡航費、健康診断費など、一切の費用が対象です。
- 「送出機関と一体となって活動する機関(提携先の教育機関など)」への支払いも、「送出機関への支払い」とみなされます。
- 超過分の負担: もし実費が上限を超える場合、超えた分は受入れ企業(または監理支援機関)側が負担しなければなりません。
派遣のルール
労働者派遣等で行うことの意義と形態
労働者派遣等の形態を活用した育成就労(労働者派遣等監理型育成就労)は、季節的業務などで通年雇用が困難な分野のために設けられた制度です。技能実習制度とは異なり、育成就労制度では派遣就労が認められます。
育成就労の形態としては、大きく「単独型育成就労」、「監理型育成就労」に分けられます。派遣就労は 必ず「監理型育成就労」で行う必要があります。
派遣等を行わせる場合は、派遣元・派遣先が共同して育成就労計画を作成しなければなりません。そして、派遣先・派遣元いずれも「育成就労実施者」として認定を受ける必要があります。
管理上のポイント
- 派遣料金とマージン率の申告: 派遣料金(派遣先→派遣元)が適正であることを確認するため、認定申請時に「派遣料金とマージン率」を申告し、公表されます。不当に高いマージンや不透明な費用徴収は認められません。
- 同一労働同一賃金: 派遣先の最低賃金が適用されます。就労先ごとに賃金が変わる場合は、外国人本人に対してその理由や待遇について非常に丁寧な説明が求められます。
- 定期監査の頻度: 通常の3か月に1回の監査に加え、業務に従事させている期間中の監査が必須です。
「欠格事由」
育成就労計画の認定を受けるためには、法令を遵守し、適正な業務運営を行う能力があることが求められます。以下のいずれかに該当する者は「欠格事由」となり、計画の認定を受けることができません。
刑事罰を受けたことによる欠格(刑罰・罰金)
以下の刑罰を受けた場合、執行終了後5年間は認定を受けられません。
- 拘禁刑以上の刑に処せられた者。
- 育成就労法や労働・出入国関連法令に違反し、罰金刑に処せられた者。
- 暴力団関連法、刑法(傷害、脅迫、背任等)に違反し、罰金刑に処せられた者。
- 社会保険・労働保険各法に違反し、罰金刑に処せられた者。
過去の認定取消や法令違反
- 育成就労計画の認定を取り消された場合: 取り消しの日から5年間は不可。
- ※技能実習法に基づく認定取消を受けた場合も同様とみなされます。
- ※ただし、法令違反について「自らに帰責事由がない」と認められる場合は例外となることがあります。
- 不正・著しく不当な行為: 出入国や労働法令に関し、不正行為等をした日から5年間は不可。
- 具体例:不法就労助長行為、偽造・変造文書の行使、労働基準関係法令での送検・刑罰確定など。
行為能力・経営適格性
- 業務遂行能力: 精神の機能の障害により、必要な認知・判断・意思疎通を適切に行えない者。
- 破産者: 破産手続き開始の決定を受け、復権を得ていない者。
- 法定代理人の制限: 成年者と同一の能力を持たない未成年者で、その法定代理人が欠格事由に該当する場合。
暴力団排除
- 暴力団員等: 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者。
- 事業支配: 暴力団員等がその事業活動を実質的に支配している場合。
法人に関する注意点
- 役員の範囲: 形式上の役員だけでなく、相談役や顧問など、実質的に法人に対して強い支配力を有する者も欠格事由の対象となります。
- 法人としての責任: 役員の中に一人でも欠格事由に該当する者がいれば、その法人は認定を受けられません。
確認対象の主な書類
申請時には、欠格事由に該当しないことを宣誓・証明する必要があります。
- 育成就労計画認定申請書
- 欠格事由非該当誓約書
- 登記事項証明書および役員の住民票の写し(法人・個人共通)
- ※業務に直接関与しない役員については、住民票の代わりに「申告書」で代用できる場合があります。
育成就労制度の活用で「問い合わせ」を増やすためのポイント
中小企業が今すぐ動くべき理由
2027年の制度開始までまだ時間があると思われるかもしれませんが、準備は今から始めるべきです。制度開始直後は申請が殺到し、手続きに時間がかかることが予想されるからです。また、現行の技能実習制度からのスムーズな移行を考えるなら、早めの情報収集が欠かせません。
特に中小企業にとって、人材確保は死活問題です。日本人の若手採用が困難を極める中、意欲ある外国人を育成し、戦力化できるこの制度は大きなチャンスです。他社が様子を見ている間に、いち早く体制を整え、「外国人が働きやすい優良企業」としてのブランディングを確立できれば、優秀な人材が集まりやすくなります。
また、外国人を受け入れることは、社内の活性化や業務マニュアルの見直し、コンプライアンス意識の向上など、組織全体の体質改善にもつながります。異文化を持つ人材と共に働くことで、新しい視点やアイデアが生まれることも期待できます。
外国人採用を成功させるための準備チェックリスト
実際に外国人採用を検討するにあたり、以下のチェックリストを参考に、自社の現状を確認してみてください。
- 受入目的の明確化:なぜ外国人を採用するのか、どのような業務を任せたいのかが社内で共有できているか。
- 社内理解の促進:現場の社員が外国人の受け入れに協力的か。異文化理解のための研修などは考えているか。
- 労働環境の整備:就業規則や賃金規定は法令に適合しているか。社会保険や労働保険の加入漏れはないか。
- 生活環境の確保:適切な寮や社宅を用意できるか。生活必需品の準備や初期サポートができるか。
- 教育体制の構築:技能指導員や生活相談員になれる人材がいるか。日本語学習を支援する仕組みはあるか。
- 資金計画:給与だけでなく、採用手数料、監理費、渡航費負担などのコストを予算化できているか。
専門家・支援機関への相談が鍵になる理由
育成就労制度は、法律、労務、在留資格(ビザ)、生活支援など、多岐にわたる専門知識が必要です。
外国人雇用のプロフェッショナルである行政書士、社会保険労務士、信頼できる監理支援機関(登録支援機関)に相談するのが一番の近道です。彼らは最新の法律改正情報を持っており、御社の状況に合わせた最適なプランを提案してくれます。

ℳ/大阪の行政書士補助者
2023年行政書士試験合格
大阪市内事務所に勤務している行政書士補助者です。
取扱業務:在留資格、古物商、宅建業、会社設立
お気軽にお問い合わせください。

