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2026年から改正される「行政書士法」で何が変わる?

大阪の行政書士事務所で勤務していますℳです。

2026年1月1日から「行政書士法」が改正されます。この改正により、「補助金申請をコンサルタントに依頼する」「ディーラーの車庫証明代行」など、これまで当たり前に行われてきた多くの行為が違法となる可能性があります。

来年から施行される改正行政書士法では、5点の改正のポイントがあります。

この法改正は、単に行政書士業界内の問題ではありません。事業者、経営者、そして一般消費者にも直接影響を及ぼす重要な変更です。特に「業務の制限規定の趣旨の明確化」により、無資格者による書類作成代行に対する規制と罰則が大幅に強化されました。

本記事では、2026年行政書士法改正の5つのポイントを詳しく解説し、あなたが知らず知らずのうちに違法行為に関与してしまうリスクを回避する方法を示します。

目次

行政書士法の改正の5点

近年、行政手続きのオンライン化が急速に進む一方で、無資格者による書類作成代行ビジネスが増加し、トラブルが多発していました。特に補助金申請代行を名目とした高額請求や、不正確な書類作成による申請者の不利益が社会問題化していました。

従来の行政書士法では「報酬を得て」という文言が曖昧で、「これはコンサルティング料だから問題ない」「事務手数料として徴収しているだけ」といった言い訳により、実質的な書類作成代行が野放しになっていたのです。

また、デジタル社会の進展に伴い、行政手続きの電子申請が標準化される中、行政書士にもIT活用能力が求められるようになりました。しかし、従来の法律には、こうした時代の変化に対応する規定がありませんでした。

今回の改正は、これらの課題を解決し、国民が安心して行政手続きを行える環境を整備することを目的としています。同時に、行政書士という専門資格の価値を明確化し、業務の質を向上させる狙いもあります。

1「行政書士の使命」の新設

改正前の行政書士法第1条は「この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて、国民の利便に資することを目的とする」という条文でした。

改正後は、この条文が「使命」として再構成されます。具体的には「行政書士は、その業務を通じて、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを使命とする」と規定されました。

この変更は単なる言葉の置き換えではありません。「目的」は制度の存在理由を示すものですが、「使命」は行政書士一人ひとりが果たすべき社会的責務を示すものです。つまり、行政書士は単なる書類作成代行者ではなく、「国民の権利利益の実現」という公共的使命を担う専門家であることが明確化されたのです。

この使命規定により、行政書士は依頼者の利益を最優先に考え、適法かつ適切な助言を行う義務がより明確になりました。逆に言えば、不正確な書類作成や、依頼者を誤った方向に導く行為は、この使命に反する重大な職務違反となります。


2「行政書士の職責」の追加

改正法第1条の2には、新たに「職責」が規定されました。この中で特に注目すべきは、「デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図るよう努めなければならない」という条文です。

これは、行政書士にIT活用能力の向上を努力義務として課すものです。現在、多くの行政手続きがオンライン申請に移行しており、マイナポータルや各省庁の電子申請システムの利用が標準化されています。

従来の紙ベースの手続きに慣れた行政書士が、電子申請に対応できないという事態は、国民の利便性を損なうことになります。改正法は、すべての行政書士にデジタル対応を求めることで、業界全体のサービス品質向上を図っているのです。

この規定により、行政書士はeラーニングやIT研修の受講、電子申請システムの操作習得などに積極的に取り組む必要があります。依頼者の視点では、「デジタル対応できる行政書士かどうか」が、依頼先選定の重要な基準となるでしょう。

3「特定行政書士の業務範囲の拡大」

特定行政書士とは、行政書士試験に合格した後、さらに日本行政書士会連合会が実施する「特定行政書士法定研修」を修了した行政書士のことです。この研修では、行政不服申立て制度について深く学びます。

通常の行政書士は、官公署に提出する書類の作成と提出代行ができますが、その申請が不許可になった場合の不服申立て(審査請求)の代理はできませんでした。一方、特定行政書士は、この審査請求手続きの代理権を持っています。

例えば、建設業許可の申請が不許可になった場合、通常の行政書士は不服申立ての書類作成はできても、代理人として手続きを進めることはできません。しかし特定行政書士なら、依頼者の代理人として審査請求書を提出し、行政庁との折衝を行うことができます。

この制度により、国民は弁護士に依頼するよりも手軽に、専門家の支援を受けて行政不服申立てができるようになります。行政手続きの透明性と公正性を確保する上で、重要な役割を果たしています。

今回の改正前は、特定行政書士が不服申立ての代理ができるのは「行政書士が作成した書類に係る許認可等」に限定されていました。つまり、自分が作成した申請書が不許可になった場合のみ、審査請求の代理ができたのです。

今回の改正後は、「行政書士が作成することができる書類に係る許認可等」に範囲が拡大されます。これにより、本人が自分で作成した申請書が不許可になった場合や、他の行政書士が作成した書類が不許可になった場合でも、特定行政書士が審査請求の代理を引き受けられるようになります。

この変更の実務的な意義は非常に大きいです。例えば、在留資格(ビザ)の申請を自分で行って不許可になった外国人が、その後特定行政書士に相談して審査請求を行うことが可能になります。従来は「自分で申請したものは自分で不服申立てするしかない」という状況でしたが、改正後は専門家のサポートを受けられます。

また、前任の行政書士が作成した申請が不許可になり、その行政書士と連絡が取れなくなった場合でも、別の特定行政書士に審査請求を依頼できるようになります。これは、依頼者保護の観点から非常に重要な改正といえます。

4「業務の制限規定の趣旨の明確化」

改正前の行政書士法では、行政書士以外の者が「業として」官公署に提出する書類を作成することを禁止していましたが、「業として」の解釈が曖昧でした。そのため、「これは業務ではなくサービスの一環」「報酬ではなく実費」といった言い訳により、実質的な書類代行が横行していました。

改正法では、「他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されました。これにより、名目に関わらず、対価を得て書類作成を行うことはすべて「報酬を得る行為」とみなされます。

具体的には、以下のような名目でも「報酬」に該当します。

手数料

コンサルタント料

事務手数料

サポート費用

顧問料

会費

成功報酬

登録代行料

つまり、どんな名称を使おうとも、書類作成の対価として金銭を受け取れば、それは「報酬」とみなされ、行政書士資格がなければ違法となるのです。

この明確化により、これまでグレーゾーンだった多くの代行ビジネスが完全に違法となります。事業者は、サービス内容を根本的に見直す必要があります。
 

改正法施行後、以下のような行為は明確に違法となります。それぞれの事例を見ていきましょう。

事例1:自動車ディーラーによる車庫証明代行 これまで多くのディーラーが、車両購入者向けに「登録代行料」として数千円から1万円程度を徴収し、車庫証明申請書や配置図を作成して警察署に提出していました。改正法施行後、行政書士資格のないディーラー従業員がこの業務を行うことは違法となります。

ディーラーは、顧客に「ご自身で申請していただくか、提携している行政書士をご紹介します」という対応に切り替える必要があります。

事例2:経営コンサルタントによる補助金申請書作成 経営コンサルタントが、中小企業の補助金申請を支援する際、「コンサルティング料」として報酬を得て事業計画書や申請書を作成する行為は違法となります。

コンサルタントができるのは、あくまで「アドバイス」や「添削」であり、書類そのものを作成・代筆することはできません。補助金申請書は官公署(経済産業省や中小企業庁など)に提出する書類であり、行政書士の独占業務に該当するからです。

事例3:人材紹介会社による在留資格申請サポート 外国人材を紹介する会社が、「サポート費用」として報酬を得て在留資格認定証明書交付申請書を作成する行為は違法です。在留資格申請書は入国管理局に提出する書類であり、行政書士の独占業務です。

なお、違反した場合は1年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処されます。「知らなかった」では済まされない重い罰則です。

5「両罰規定の整備」

改正法では、違法行為を行った個人だけでなく、その個人が所属する法人(会社)も処罰される「両罰規定」が整備されました。

例えば、自動車販売会社の従業員が車庫証明の書類作成代行を行った場合、その従業員個人が罰せられるだけでなく、会社自体にも罰金刑が科されます。これにより、「従業員が勝手にやったこと」という言い訳は通用しなくなります。

両罰規定の目的は、法人が組織的に違法行為を行うことを防止することにあります。個人だけを罰しても、会社の方針として違法行為が続けられれば意味がないため、法人自体にも責任を負わせるのです。

この規定により、企業のコンプライアンス担当者は、自社の業務フローを見直し、無資格者による書類作成代行が行われていないかを厳格にチェックする必要があります。

違反が発覚した場合、罰金刑だけでなく、社会的信用の失墜、取引先からの契約解除、許認可の取り消しなど、企業存続に関わる重大なダメージを受ける可能性があります。

行政書士に依頼するメリット

ご自身でも車庫証明補助金の申請を行うことも可能ですが、行政書士に依頼することで以下のようなメリットがあります。

「法律違反」のリスクをゼロにする:行政書士以外の人が報酬を得て、書類の代行や申請をすることは、「非行政書士行為」として違法になります。もし無資格の業者に頼んでしまった場合、自身がトラブルに巻き込まれるリスクもあります。

補助金やビザ(在留資格許可申請)の「採択率・許可率」がアップ:補助金の申請書類やビザの理由書は、ただ書けばいいわけではありません。補助金→事業計画をどう見せるか。ビザ→入管法に基づいた論理的な説明ができているか。自分で苦労して書いて不許可になるよりも、最初からプロに任せる方が、結果として時間もお金も節約できます。

本業に集中できる:書類作成から申請までこれらをすべて自分でやろうとすると、何回も行政へ足を運ぶことになります。車庫証明一つ取るにも、平日の日中に2回警察署に行く必要があります。補助金申請なら、数十ページの事業計画書を作成し、必要書類を揃え、電子申請システムの操作を習得する必要があります。面倒な手続きをすべて行政書士に丸投げすることで、自身の本業に専念することができます。

当事務所では、大阪府・兵庫県・奈良県などを中心に、行政書士業務を行い、主に許認可や在留資格、補助金業などのサポートを行っております。

行政書士の選び方と依頼時の注意点

行政書士に依頼する際は、以下のポイントをチェックしましょう。

チェックポイント1:専門分野の確認 行政書士にも得意分野があります。建設業許可専門、外国人ビザ専門、補助金申請専門など、自分が依頼したい業務の実績が豊富な行政書士を選びましょう。事務所のウェブサイトで取扱業務や実績を確認できます。

チェックポイント2:特定行政書士の資格有無 万が一不許可になった場合でも、特定行政書士なら審査請求まで対応してもらえます。「特定行政書士」の資格を持っているかを確認しましょう。

チェックポイント3:報酬の明確性 依頼前に、報酬額、実費、成功報酬の有無などを明確に確認しましょう。見積書や契約書を交わすことで、後のトラブルを防げます。

チェックポイント4:デジタル対応能力 改正法でデジタル対応が職責として明記されました。電子申請に対応しているか、オンライン相談が可能かなど、IT活用能力も選定基準の一つです。

チェックポイント5:地域密着性 大阪府内の手続きなら、大阪の保健所や警察署、府庁の運用ルールを熟知している地元の行政書士が有利です。当事務所のように、大阪府・兵庫県・奈良県を中心に活動している事務所なら、地域特有の事情に精通しています。


まとめ・お問い合わせ

2026年1月1日から施行される行政書士法改正は、行政手続きに関わるすべての人に影響を与える重要な変更です。特に、無資格者による書類作成代行の違法化と罰則強化は、事業者にとって喫緊の対応課題となります。

改正法の5つのポイント

  1. 行政書士の使命の新設:国民の権利利益の実現という公共的使命が明確化されました。
  2. 行政書士の職責の追加:デジタル社会への対応が職責として規定されました。
  3. 特定行政書士の業務範囲拡大:本人申請や他の行政書士が作成した書類についても、不服申立ての代理が可能になりました。
  4. 業務制限規定の明確化:「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言追加により、無資格者の書類代行が完全に違法化されました。
  5. 両罰規定の整備:違法行為を行った個人だけでなく、所属法人も処罰対象となりました。

事業者の方は、自社の業務フローを今すぐ見直し、無資格者による書類代行が行われていないか確認してください。該当する業務がある場合は、行政書士との提携関係を構築するか、業務そのものを中止する必要がありますこれまで行政書士以外が行ってきた 補助金申請等書類を作成し報酬を得るなどの行為は2026年以降、行政書士法が改正され、行政書士資格がなければ違法となります。本人申請もしくは、行政書士に依頼するかの選択が、より厳格に求められるようになります。また、違法行為を行った個人だけでなくその個人が所属する法人も罰金刑を科することされます。

補助金申請や車庫証明申請手続きはご自身でも行うことは可能ですが、膨大な書類作成や要件の確認を行わなければなりません。

「自分で許可が取れるか不安」「忙しくて手続きに行く時間がない」という方は、お気軽にご相談ください。

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