宅建業を営む際の要件の一つとして、代表者は営業所に常勤しなければなりません。
本店の他に支店もあった場合、代表はどちらの営業所にも常勤するといったことができません。
その場合、代表者が常勤でない営業所には政令使用人を置く必要があります。
政令使用人とは
政令使用人(使用人)とは宅地建物取引業法施行令第2条の2で定められた使用人です。支店長や営業所長、または社長代理などが該当します。政令使用人は、その営業所の契約締結権限を有します。
政令使用人の資格や要件
政令使用人になるために資格は不要です。代表以外の役員や専任の宅地建物取引士が兼任することも可能です。
政令使用人にも代表者や法人役員と同じく欠格要件があるので、宅地建物取引業法第5条の免許の基準に該当しない者であることが必要です。

政令使用人の設置が必要なケース
政令使用人の設置義務がある場合が2つあります。
①代表者が他の会社で常勤(宅建業を営む法人で非常勤)の場合
②すでに1つの営業所で常勤のため、支店等の営業所では常勤できない場合
この場合、代表者が常勤でない営業所では政令使用人を置くが必要があります。
政令使用人が必要な例
宅建業を営む営業所は本店のみだが、代表者が他会社で常勤で勤務している
本店に政令使用人の設置が必要
宅建業を営む営業所を本店の他に支店を2か所増設する
代表者が常勤で勤務しない各支店に政令使用人の設置が必要代表者が常勤する事務所には、政令使用人は不要です。(設置しても問題はありません。)
政令使用人を置く場合の手続き
政令使用人の設置は、変更日(支店を開設したときや代表者が常勤でなくなったとき)から30日以内に免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届出が必要です。
大阪府の場合は⼤阪府咲洲庁舎の⼤阪府建築振興課 宅建業免許申請受付窓⼝が受付場所です。
必要書類
変更届出書(第一面、第三面)
略歴書
代表者等の連絡先に関する調書
身分証明書(本籍地で取得できます)
登記されていないことの証明書(法務局で取得できます)
宅地建物取引業に従事する者の名簿
まとめ
「政令使用人」は、代表者が常勤できない場合や支店を開設したときに置く必要があります。
政令使用人は代表者に代わり契約権限を有し、代表者に代わって責任や権限を持つポジションです。
設置義務の有無を正しく把握し、届け出を行うことが必要です。