大阪の行政書士事務所で勤務している行政書士補助者のℳです。
今回は兵庫県で宅地建物取引業(宅建業)の免許を新規で申請する際の概要を説明していきます。

申請方法
兵庫県の宅建業免許申請の方法には2種類あります。
書面申請と電子申請が可能です。
書面申請
書面で申請する場合は、本店を管轄する各県民局等の土木事務所の宅建業課・建築業課に必要書類を提出します。
| 事務所名 | 所管区域 | 所在地 | 電話 | FAX |
|---|---|---|---|---|
| 神戸県民センター 神戸土木事務所 宅建業課 | 神戸市 | 〒653-0055 神戸市長田区浪松町3-2-5 | 078-737-2198 078-742-8355 (直通のみ) | 078-737-2399 |
| 阪神南県民センター 西宮土木事務所 建設業課 | 尼崎市 西宮市 芦屋市 | 〒662-0854 西宮市櫨塚町2-28 | 0798-39-1543(直通のみ) | 0798-23-7790 |
| 阪神北県民局 宝塚土木事務所 建設業課 | 伊丹市 宝塚市 川西市 川辺郡 三田市 | 〒665-8567 宝塚市旭町2-4-15 | 0797-83-3101 内線351 | 0797-86-6571 |
| 東播磨県民局 加古川土木事務所 建設業課 | 明石市 加古川市 高砂市 加古郡 | 〒675-0066 加古川市加古川町寺家町天神木97-1 | 079-421-1101 内線559 | 079-421-1213 |
| 北播磨県民局 加東土木事務所 まちづくり建築課 | 西脇市 三木市 小野市 加西市 加東市 多可郡 | 〒673-1431 加東市社字西柿1075-2 | 0795-42-5111 内線548 | 0795-42-6422 |
| 中播磨県民センター 姫路土木事務所 建設業課 | 姫路市 神崎郡 相生市 たつの市 赤穂市 宍粟市 揖保郡 赤穂郡 佐用郡 | 〒670-0947 姫路市北条1-98 | 079-281-3001 内線243 | 079-281-9910 |
| 但馬県民局 豊岡土木事務所 まちづくり建築第1課 | 豊岡市 美方郡 養父市 朝来市 | 〒668-0025 豊岡市幸町7-11 | 0796-23-1001 内線553 | 0796-24-5593 |
| 丹波県民局 丹波土木事務所 まちづくり建築課 | 丹波篠山市 丹波市 | 〒669-3309 丹波市柏原町柏原688 | 0795-72-0500 内線393 | 0795-72-4596 |
| 淡路県民局 洲本土木事務所まちづくり建築課 | 洲本市 南あわじ市 淡路市 | 〒656-0021 洲本市塩屋2-4-5 | 0799-22-3541 内線554 | 0799-24-4513 |
電子申請
兵庫県の宅建業免許申請には、国土交通省手続業務一貫処理システム(eMLIT:イーエムリット)による電子申請が可能です。
eMLITでの申請には、「gBizIDプライム」または「gBizIDメンバー」のアカウントが必要です。
申請ににかかる手数料は「兵庫県電子納付システム」で支払い可能です。
書面申請、電子申請ともに行政書士の代理申請は可能です。
手数料
宅地建物取引業免許申請(新規)の手数料は、書面申請の場合33,000円で県証紙で支払います。
電子申請の場合は26,500円です。
その他必要書類入手のための手数料や供託金(弁済業務保証金分担金)の費用がかかります。
標準処理期間
審査にかかるは、書類受付後40日です。(土曜日・日曜日・祝日、12月29日から1月3日までを除く。)
宅建業免許申請の要件
①免許を受けようとする者が、欠格要件に該当しないか
免許を受けようとする者が、次の「欠格要件」のいずれか1つでも該当するときは宅建業の免許をとることができません。
①破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
②免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為、又は業務停止処分違反をして免許を取消された日から5年を経過しない者(法人の場合は、その法人の役員であった者を含む)
③免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為、又は業務停止処分違反をして、免許取消処分の聴聞の公示をされた後、相当の理由なく廃業等の届出を行った場合で、届出の日から5年を経過しない者
④上記③の期間内に合併により消滅した法人又は廃業等の届出があった法人の公示の日前60日以内に役員であった者で合併により消滅又は廃業等の届出の日から5年を経過しない者
⑤拘禁刑(禁錮・懲役)以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑥宅建業法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法(傷害・現場助勢・暴行・凶器準備集合・脅迫・背任)の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑦暴力団員又は、暴力団員でなくなってから5年を経過しない者
⑧免許申請前5年以内に宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をした者
⑨宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者
⑩精神の機能の障害により宅地建物取引業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定める者
⑪暴力団員等がその事業活動を支配する者
⑫事務所に専任の宅地建物取引士を設置していない者
⑬免許申請書や添付書類に重要事項についての虚偽の記載や又は、重要な事実の記載が欠けている者
⑭営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人の場合は、その役員を含む。)が①~⑩のいずれかに該当するもの
⑮法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに①~⑩までのいずれかに該当する者のあるもの
⑯個人で政令で定める使用人のうちに①~⑩までのいずれかに該当する者のあるもの
不正行為をして免許を受けたものや刑罰を受けたもの、暴力団員等は5年経過していないと免許を受けられないなどの欠格要件があります。これらの要件は、申請者だけでなく、法人の役員や政令使用人にも適用されます。
②事務所の設置
用途地域による制限
第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域においては、宅建業の事務所の設置は認められていません。(ただし、「兼用住宅」の場合は設置できる可能性あります。)
兼用住宅は事務所部分の床面積が50平方メートル以下であり、かつ、事務所部分の床面積が、建築物全体の延べ面積の2分の1未満である場合可能
事務所を設置しようとする場所がどの用途地域に該当するかについては、事務所所在地の各特定行政庁の窓口に事前に相談して確認する必要があります。
市街化調整区域
市街化調整区域においては、事務所の設置は原則認められていません。
市街化調整区域の制限については、 事務所所在地の各所管行政庁の窓口に確認する必要があります。
本店又は支店として商業登記をしている
本店又は支店として使用する事務所は登記が必要です。
登記事項証明書に載っている本店が事務所の本店になります。
独立性
宅建業の事務所として、持ち家やレンタルオフィスでも営むことは可能です。ただし、他の事業者や居住スペースとは明確に区別され、独立性があることが必要です。
自宅の一部を事務所とする場合、居住スペースと壁などで完全に仕切られている必要があります
他の会社と同じフロアを共有する場合、固定式のパーテーションなどで明確に区切られ、他社を通らずに自社の事務所に直接入れる構造でなければなりません。
継続性
継続的に業務が行える施設である必要があります。仮設の建物やテント張り、コンテナハウスなどは原則として認められません。
備品
事務所として機能するための最低限の設備が整っていることが求められます。具体的には、応接スペース、事務机、椅子、パソコン、電話などを備える必要があります。
③専任の宅地建物取引士の設置
宅建業の事務所に専任の宅地建物取引士は業務に従事する者5人につき1人以上の人数を置かなければなりません。
業務に従事する者とは個人業者本人や法人業者の代表者、直接営業に従事する者、常勤役員、庶務・経理、継続的な雇用関係にあるパートのことを指します。
専任宅建士は、「常勤性」と「専従性」の二つの要件が必要です。
常勤性:宅地建物取引士が事務所に常時勤務することをいい、雇用契約等の継続的な関係があることです。継続して勤務している状態が必要なので、午前中勤務だけといったパートタイム勤務では常勤性が認められません。また、事務所から社会通念上通勤不可能な場所に住んでいるなども認められません。
専従性:他の業務と兼務せず、宅建業に専ら従事することです。1人の宅建士が複数の店舗の専任宅建士になることはできません。申請人(個人事業主や、法人の代表者)、政令使用人は専任宅建士になることができます。契約社員、派遣社員は宅建業者が社員を指揮命令できる関係にあれば専任宅建士になることができます。
上記以外にも法人の場合定款に宅建業を行う目的がなければ変更登記をします。
宅建業申請の流れ(保証協会に加入する場合)
必要書類の作成や取得をする
免許の申請(書類申請または電子申請)
併せて保証協会に申請書類を提出
宅建免許の審査(標準処理期間は40日です)
全日の現地調査
免許(はがきで通知されます)
保証協会の入会承認
入会費用・弁済業務保証金分担金等(本店60万円支店30万円)の納付
保証協会の窓口に保証金納付証明書の取得
宅建業申請受付窓口に免許証の取得
営業開始
申請から約2か月で営業が開始可能です。
まとめ
兵庫県知事免許の場合、申請窓口は本店の所在地を管轄する各県民局・県民センターの土木事務所もしくは電子申請でも可能で、どちらも行政書士の代理申請が可能です。
宅建業免許の申請の要件を事前に確認して事務所や宅建士の設置が必要です。
申請には膨大な書類が必要なため行政書士の相談がおすすめです。

